「ほしいメールは受信」「スパムはブロック」--確実に振り分ける新技術

Marguerite Reardon(CNET News.com)2004年02月06日 20時49分

 ある新興企業が、受信者が望んでいる可能性のあるメールを排除することなくスパムを遮断する、ウェブベースの電子メールサービスを提供しようとしている。

 ニューヨークを拠点とするZoEmailは米国時間5日、AT&T Labsからライセンスを受けた技術を用いる、「スパムのない」電子メールサービスを立ち上げた。同社によると、この技術はユーザーの望まない電子メールを、メールボックスから完全に取り除くという。

 America Online(AOL)、Microsoft、Yahooのような他の電子メールサービスでも、スパムのフィルタリングサービスは提供している。だが、ZoEmailによれば、同社のサービスは、友人や同僚、メーリングリストなどからの受け取りたい電子メールをブロックすることなく、望まない電子メールだけを排除できる点で、他社のサービスと異なるという。

 現在スパム対策で、人々が直面している最も大きな問題は、スパムからの防護を強めると、その分重要な電子メールを見逃す可能性も増すというジレンマである。ソフトウェアを使ったフィルタリングでは、正しいものを疑う可能性、すなわちスパムとともに本来の正しい電子メールでさえもブロックしてしまう可能性が高い。ZoEmailでは、AT&Tの技術はこの問題を解決すると説明している。

 「我々のサービスにより、ユーザーはプライバシーやセキュリティを自らコントロールできるようになり、不快な電子メールに悩まされる必要がなくなる」と、ZoEmail社長のMike Oyster。「また、多くのサービスが採用しているフィルタリング技術とは異なり、1つの正しいメールを探すのに何百ものジャンクメールの入ったフォルダを見渡す必要はなくなる」(Oyster)

 ZoEmailの仕組みは次のようなものだ。ZoEmailのユーザーが電子メールを送るとき、このシステムはユニークな「鍵」--特別な単語や番号を組み合わせたものを選択し、ZoEmailユーザーの電子メールアドレスの鍵部分を生成する。すなわち、たとえばJane@zoemail.comのようなシンプルな電子メールアドレスを生成する代わりに、本人の名前に続く形で、追加の文字やキャラクタを含む鍵が生成される。その場合の電子メールアドレスは、Jane.1234gbd@zoemail.comのような形になる。

 この電子メールアドレスの持ち主であるJaneは、コード化されたこの電子メールを誰でも好きな人に対して配布できる。そして、この電子メールアドレスを用いると、送ったメールがシステム等にブロックされずに確実にJaneへ届く、という仕組みだ。もし、スパム送信者がJane@zoemail.comに対して適当にメールを送信した場合、そのメールは無条件に跳ね返され、Janeのメールボックスに届くことはない。

 ZoEmailを使えば、Janeは自分のメーリングリストに名前の載った相手に対して、別の鍵を作ることもできる。そして、万が一、メールアドレスが悪者の手に渡った場合にも、Janeは鍵を無効にするボタンをクリックするだけで、送信許可を取り消すことができる。

 このサービスの面倒な点は、鍵に変更を加えた場合に、自分のメーリングリストに載った相手に対して、そのことを知らせなくてはならないというところだ。しかし、ZoEmailは、この問題の解決にすでに取り組んでおり、アドレスに問題が生じた場合にも、ZoEmailのアカウントからメールを出すだけで、新しい鍵を自動的に生成するという設定を選べるようになっている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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