シカゴの連邦裁判所は14日(米国時間)、米Microsoftに対して5億2100万ドルの支払いを求める、先に出されていた評決を支持した。これにより、最も広く使われているインターネットソフトウェア製品の多くが、大きな変更を強いられる可能性も出てきた。
James Zagel判事は、Microsoftのウェブブラウザソフト、Internet Explorer(IE)がEolas Technologiesとカリフォルニア大学とが共同で保有する特許権を侵害しているという、昨年8月に出された陪審評決を覆す理由は見あたらない、と述べた。
Zagel判事はまた、評決の一部として、Microsoftが特許侵害の可能性がある技術を含んだバージョンのIEを配布することを禁じた。だが、判事はすぐに、控訴手続きまでこの差し止め命令を保留にした。Microsoftは、すぐにも控訴するとみられている。
「Microsoftの動きは、初回で失敗に終わった主張を繰り返しただけだ。私はこの判決に完全に満足しているわけではないが、ただし私が満足していようがいまいが、ここでは問題ではない」と、Zagel判事は意見書の中に記している。
8月の評決は、ウェブ開発者コミュニティの間でちょっとしたパニックを引き起こした。この訴訟でEolasが最終的に勝利を収めた場合、ウェブページの基本的な機能の多くを作成・動作させる方法を変更しなければならない可能性が出てくるためだ。
Eolasの特許には、メディアプレイヤーやドキュメントのビューアなどの、ブラウザとは別のアプリケーションをウェブページ内で呼び出すのに使われる技術が含まれる。
過去数カ月間、ウェブプログラマらは、Eolasの特許を無効化するために、Eolas以前に誰かこの技術を発明していないかとプログラミングの歴史を漁り、“先行技術"と呼ばれる証拠を探した。また米特許庁は、同特許の有効性を調査する目的で、異例の聴講会を開いている。
Microsoftは、最終的に、法廷あるは特許庁のどちらかがEolasの特許を無効にするだろうと述べていた。同社はすでに、特許が主張する技術を回避するIEのバージョンをリリースしており、他のウェブ開発者にもそうするようにアドバイスしている。
Microsoft広報担当のLou Gellersは、「控訴でこちらの説明を聞けば、我々の主張通りにこの特許が有効ではないことを理解してもらえると、自信を持っている。また、たとえこの特許が有効であったとしても、我々がそれを侵害したとは思えない」と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力