米議会は8日(米国時間)、同国初のスパム対策法を最終的に可決した。すでにBush大統領はこの法案への年内の署名を示唆している。
米下院で同法案が満場一致で可決されたことにより、6カ月以上に及んだ激動の法策定プロセスがついに幕を閉じたが、その間に、増加の一途を辿る、勝手に送りつけられる商業用電子メール問題の解決に向け、それぞれ異なるアプローチの12以上の競合案が提出された。
CAN-SPAM(Controlling the Assault of Non-Solicited Pornography and Marketing)法の最終版は妥協的な内容であり、メールのヘッダー部分の偽造やポルノ広告を勝手に送りつけるといった、スパム発信者が取る手法の中でも最も悪質なものの取り締まりを目的としている。同法はマーケッターに対し、広告メールに、機能している返信用アドレスまたはメール配信の中止要請を受け付けられるウェブフォームへのリンクを添えることを義務付けている。
同法の支持派は、スパム問題が拡大し、米国の各企業が莫大な対策費を費やしている現状に鑑みると、一刻も早い対応が必要だと語った。Ron Wyden上院議員(民主党、オレゴン州選出)の広報担当、Chris Fitzgeraldは「(CAN-SPAM法が)成立するまでに多くの時間と労力が費やされた」と述べた上で、「しかし同法は主要なスパム発信者を厳重に取り締まり、勝手に送りつけられ、しばしば不快感を感じさせる電子メールから米国民を守るための一助となる、連邦レベルでは初めての法律だ」と語った。
一方、同法に対する批判者たちは、CAN-SPAMおよび一般のスパム対策法は、結局各家庭の受信トレイに届く大量のスパム対策としては、あまり効果はないだろうと述べ、その理由の1つとして海外から送られる大量のスパムを挙げた。今週スイスのジュネーブで開催される国連サミットの議題も、適切なスパム対策を国内および国際レベルで実施するよう各国政府に促している。
だが、Fitzgeraldは、CAN-SPAM法は実際的な効果を挙げるだろうと述べた。
CAN-SPAM法案の最終版では、以前の案に比べて、携帯端末に送られるスパムの定義が拡大されている。そのため各州の検事総長は、ヘッダーを偽造したり、あるいは無許可でアクセスしたネットワークを使って、メールを大量に送信したスパム発信者に対する差し止め請求が簡単に行えるようになった。ただし、CAN-SPAM法はいずれの案でも政治、宗教、非営利団体から送られるスパムには適用されない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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