米Altnetは、Kazaaやその他のピア・ツー・ピア(PtoP)技術を使った、合法的なファイル交換サービスを提供している。その同社が、ファイル交換ネットワークに対する監視もしくは干渉を行っている9社に対し、そうした行為が特許権の侵害に当たるとして、法的警告文書を送付した。
このサービス停止命令は、Altnetが昨年の6月に発表した特許権を法的に行使した初のケースだ。同社はこの特許に基づき、PtoPネットワーク上のファイルを識別する最も一般的な手法に対する権利を主張している。この技術は、ファイル内の全ての情報をデジタル表示する「hash」と呼ばれる技術を使用しており、全米レコード協会(RIAA)もオンライン著作権侵害者との戦いの中で使用してきた。
Altnetは米Brilliant Digital Entertainmentの子会社で、Kazaaの生みの親であるオーストラリアのSharman Networksと親密なパートナー関係にある。Altnetのエグゼクティブバイスプレジデント、Derek Broesによると、同社は数カ月にわたり、ほかのファイル交換サービス企業と同技術のライセンスについて話し合いを行ってきた。しかし、それらの企業が、同社が必ずしも承認しようとは思わない方法で同技術を使用しているため、法的な警告文書の送付に踏み切ったという。
Broesは、「PtoPの商業化という我々の目的は変わっておらず、理由の如何を問わず、我々の特許権に関して誤った使い方をする者に対し、知的財産権を守らなくてはならない」と述べ、さらに「仮に彼らの事業が、私が苦労して取得した特許を基礎として成り立っているのであれば、彼らには我々の承諾を得る必要がある」と語った。
今回のAltnetの行動は、非合法ファイル交換ビジネス界の主要な敵を狙ったものだが、技術的境界の両側にいる勢力をいらだたせる可能性がある。同社が、そのような基本的なファイル識別技術の権利を主張した結果、複数のPtoPサークル内で激しい議論が巻き起こり、また政界でも意見が分かれ、ワシントンDCに2つのロビー/政策集団が発足するに至った。
Altnetは、2002年に現在同社の主任技術者を務める研究者から、その特許を取得した。
Altnetが標的としている企業のうち、少なくとも1社はAltnetの主張は的外れと指摘する。
ロサンゼルスに拠点を置く市場調査会社、BigChampagneでは、Altnetの技術は使用していないと主張している。同社は、レコード会社などのエンターテイメント企業にインターネット上で今最も人気のあるファイルに関するレポートを提供し、最近脚光を浴び出した。
「一目見たところでは、どうやら今回は(Altnetの)識別ミスのようだ」と語るのは、BigChampagneのCEO、Eric Garland。「(ファイルの出所の特定は)我々のビジネスとは全く無関係だ」(Garland)。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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