ウェブポータルの米Lycosがは、米Overture Servicesを相手に訴訟を起こしている。Overtureが米Yahooの買収提案に同意したことで、Lycosと結んでいた商用検索契約に違反したことが原因という。
Lycosは10月16日(米国時間)、Overtureを相手取り、マサチューセッツ州の連邦地方裁判所で訴訟を起こした。この訴えのなかで、Lycosは、広告型のスポンサードサーチを提供するOvertureが、自社事業に関する機密情報をサードパーティと共有する前に、Lycosからの承諾を得なければならないという契約上の責務を、故意に無視したと主張している。同社の申し立てによると、現在米Yahooが所有するOvertureには、自社がLycosのライバルから買収される前に、Lycosから承諾を得る責務もあったという。
「Yahooは、合意の中で『Lycosの競合相手』と定義されている。Overtureは、Yahooによる買収に同意する前にLycosの承諾を得ていないし、承諾を求めることすらしなかった。Lycosの承諾なしに行ったOvertureの買収同意は、両社の合意を侵害するものだ」と告訴書類には書かれている。
その他にも、Lycosは、両社の同意書の契約の下、Overtureは自社に対して80万ドル以上を支払う義務があるとも主張している。
Yahooによる買収後、契約に関連してOvertureに戦いを挑む企業はLycosだけではない。欧州ISPのT-Onlineは、OvertureがYahooによる買収に合意したことを発表した直後に、合意書にある「所有の変更」の条項を引用して、自社の商用検索サービスを、提携先のOvertureから、新たにGoogleへと変更した。だが、T-Onlineは、OvertureがT-Onlineに対して法的に調査を開始した後、この乗り換えの撤回を求められた。T-Onlineは、取引が終了する10月7日以降はOvertureをGoogleに置き換えることができたため、現在はGoogleを採用している。
Overtureが今年7月にYahooからの買収提案に合意して以来、Lycosは自らの選択肢に関する見直しを行ってきた。9月30日、Lycosは主要ライバルであるGoogleと、サイト内のコンテクスト広告で提携している。これは、ペイ・パー・クリック型広告の新しい形式で、Overtureも提供を開始したサービスだ。
また、News.comを運営する米CNET Networksも、長年の商用検索パートナーだったOvertureと衝突している。CNETは最近、OvertureからGoogleに乗り換えたが、Overtureの広報担当によると、OvertureはCNETに契約を解消する権利があるとは思っておらず、「現在、あらゆる可能性を検討しているところだ」とコメントしている。
CNETは、自社のパートナーに関するコメントを控えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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