米Yahooが、単体としてのストリーミングビデオサービスの提供を、数週間以内に中止する見込みであることを、同社の計画に詳しい情報筋が明らかにした。これにより、インターネット上での有料テレビ風コンテンツ配信の存在価値が新たに問われることになる。
今年2月に始まったYahoo Platinumは、ABC NewsやCBSの「Survivor」といった動画コンテンツをストリーミング配信し、1カ月9ドル95セントのアクセス料を利用者から得ている。
情報筋によると、同サービスは今後、昨年から準備が進められ、早ければ来月にもサービスが開始されるプレミアム版バンドルサービスのYahoo Plusに吸収されることになるという。Yahooはまた、無償の録画番組を自社サイト全体に拡大し、これを米SBC Communicationsや英British Telecomなどの提携先に、ブロードバンドアクセスの特典として提供する模様だ。
Yahooの広報担当は、Platinumの今後の変更予定に関して明確なコメントを控えているが、同社のブロードバンド向けコンテンツは、今後も変化していくと指摘した。
「Yahooは、ブロードバンドコンテンツのプロバイダーとしてトップに立つことに尽力している。パッケージの中味、料金設定、提供方法に関しては、徐々に進化していくだろう」(広報担当のJoanna Stevens)
無償でビデオをストリーミング配信するという可能性は、コンテンツ企業、ウェブネットワーク、そして広告主などの間で、広範な態度の変化を示す兆候が見え始めたなかで出てきたもの。かつてはビデオへの課金にかなり積極的だった一部のコンテンツ企業も、心を開いて柔軟な姿勢を見せ始めている。
あるコンテンツ企業で働く情報筋は、匿名を条件に、「(コンシューマーが)絶対に料金を支払わないというわけではない。どうなるかの判決はこれから下るもの。コンテンツの製作・配信コストを広告料でまかなえるかを調査するために、(ビデオの)無償配信の手法を試すところも出てくるだろう」と語っている。
Yahoo Plusは、同社最大のライバルである米America Onlineと米MSNが、それぞれのサービスをYahooと同じように位置づけようとしているなかでのサービス開始となる。AOLとMSNはダイヤルアップの加入者数低下に対応し、ケーブルやDSLプロバイダーに奪われた顧客を取り戻すべく、自社のオンラインソフトウェアを既存のブロードバンドユーザーに売り込もうとしている。
米Microsoftは先日、広告でコストを賄い、ニュースやエンターテイメントのビデオクリップを配信する「MSN Video」と呼ばれる無償サービスを、来年に立ち上げる計画だと発表している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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