インターネット検索の最大手、米Googleが来年早々に新規株式公開(IPO)を行う、しかも個人投資家と有力な機関投資家を平等に扱うために電子入札という変わった方式を採用する可能性がある、と報じられた。
Googleの最高財務責任者(CFO)George Reyesは先週、複数の投資銀行と面談を行い、IPO実施についての感触を探った、という記事がFinancial Times(FT)のサイトに掲載された。同紙によると、Googleの株式公開が2004年3月までに行われる可能性があるという。
Googleの広報担当David Kraneは、この記事についてのコメントを差し控えた。
GoogleのIPO計画はまだ初期段階にあるが、IPOを実施すれば同社の株式は総額150億ドルを超える評価を受けるかもしれない。FTによると、Google幹部は銀行に接触した際に株式の公開方法について相談しており、電子入札という方法の採用可能性についても話し合っている。
FTの記事によると、電子入札を導入すれば、株式一括引き受けのための費用を削減でき、またドットコムブームの頃のような投資銀行がらみのスキャンダルからGoogleを遠ざけるといった効果があるという。
さらに電子入札のプロセスは、投資家にIPO株式購入のチャンスを平等に与える。これに対して、投資銀行に株式を割り当てた場合、投資銀行は優先顧客に株式を振り分けてしまう可能性がある。
FTはGoogleが接触した投資銀行名については言及しなかった。
電子的なIPO入札と聞いてすぐに連想されるのは、サンフランシスコの投資銀行W.R. Hambrecht and Co.だ。同銀行はOpenIPOというサービスを通じて、電子入札という手法を導入したパイオニアだ。1999年以来、同銀行は8つの企業の株式を公開し、価格と株式の配分を決めるためにDutch入札という手法を採用した。同社が株式公開した企業には、ウェブマガジンの米Salon.com、サンフランシスコのコーヒー店Peet's Coffee and Tea、そして最新のオンラインショップの米RedEnvelope.comなどがある。
GoogleがIPOを実施する可能性については、全く意外性がない。Googleは今や「インターネット検索」と同義語となるまでに成功しているブランドだからだ。同社は自社のインターネット検索サイトを運営するだけでなく、多くの有名顧客企業にアルゴリズムベースの検索技術を提供しており、米Yahooや米Time WarnerのAOL部門も、Googleからの技術提供を受けている。
Googleはまた、AdWordsという商用検索サービスも運営しているが、これは広告付きのリンクを販売しワンクリック毎に課金するものだ。商用検索は、儲けの多いビジネスへと成長してきており、ユーザーが広告付きリンクをクリックするたびに、広告主は料金を支払わなければならない。
GoogleのIPOが実現すれば、1995年の米Netscapeによる株式公開に匹敵する、重要なイベントとなるかもしれない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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