RIAA(全米レコード協会)は、一般ファイル交換ソフトユーザーを相手取った訴訟について、第2ラウンドの準備に入り、新たに204人の個人ユーザーに対して著作権侵害で訴えると通告した。
警告なしで訴えた第1ラウンドの訴訟とは異なり、RIAAは今回、訴訟のターゲットとなったユーザーに対して事前に警告を行い、実際に提訴する前に和解するチャンスを与えている。このように、RIAAが戦術を変更したのは、261人の個人ユーザーを相手に先月起こした初回の訴訟に関して、懸念を抱く連邦議員などから批判を浴びていたからからだ。
「我々は、議員やその他の人々が表した懸念を真剣に受け止めている。そこで、寄せられた意見を考慮し、今回は法的行動に出る前に、違法なファイル交換ユーザーに、もう一度だけチャンスを与えることにした」。
今回訴訟に先立って通告を行うという行動に出たことで、RIAAは自らの行為に対する批判に、ほんのわずかだが譲歩したことになる。初回のRIAAの訴訟は、著作権保有者が数年来繰り広げているオンライン著作権問題に関する戦いの中でも、最も議論を呼んだ戦術だった。
第1ラウンドとなった9月初めの訴訟は、RIAAが最も「はなはだしい」ファイル交換利用者であると特定した、261人の個人ユーザーを対象としていた。これらのユーザーが、KazaaやMorpheusのようなPtoPサービスを使って、しばしば1000曲以上の楽曲を他のユーザーのダウンロード用に提供していたというのがRIAAの言い分だ。
しかし、これらの個人ユーザーの身元がメディアを通じて明らかにされると、RIAAのやり方に対する批判が湧き起こった。なかでも、ニューヨークの低所得者向け公営住宅で暮らす12歳の少女が訴えられたケースは、たちまち批判者らにとってRIAAの行き過ぎた行動を象徴する事例となった。
先週開かれた議会の聴講会で、RIAAの幹部は、訴訟の潜在ターゲットに対して、実際に訴訟を起こす前に、告知の書簡を送ると約束した。これにより、早い段階で解決したい人に機会を与えるとともに、RIAAから誤認されていると思った対象者には、その懸念を表す機会を提供する。
13日と17日の2回に分けて送付された書簡は、主に和解に焦点をあてたものだ。
この書簡には、被告となる可能性のある人に対し、「法に対する無知は、防御とはなりえない」こと、そして「共有」された著作権保護付きの楽曲1曲につき、750ドルの最低損害賠償金を法律が認めていることを知らせる内容が記されている。また、コンピュータ上に保存しているMP3ファイルなど、訴訟に関連しそうないかなる証拠も消さないようにという警告も書かれている。
さらに、書簡を受けとった人が、そのなかに記されている日付から10日以内に返答しなかった場合、RIAAは「訴訟を起こす」と記されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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