米ヤフー、インクトゥミ検索技術を採用準備中

　カリフォルニア州サンノゼ発--米Yahooは、最近買収した米Inktomiの検索技術のテストを拡大し、同検索サービスの全世界での始動に向けて準備を行っている。同社代表が21日明らかにした。

　Inktomi技術のテストはオーストラリア、ブラジル、米国で実施されている。テストされているのは、当該地域の全検索量の約2％ほどだと同社広報Diana Leeは述べた。

　現在Yahooにアルゴリズムベースのウェブ検索技術を提供している米Googleとの今後の関係については、Leeはコメントしなかった。両社は提携契約の具体的期限は公開していないが、ある金融アナリストによると、この契約は柔軟で、いつでも終了可能なものだという。

　Yahooは既に、全世界ネットワークでInktomiの技術を実装するスケジュールを立てており、同社はこれまでの進捗状況に満足している、と同社検索部門担当上級副社長、Jeff Weinerは述べている。Weinerは同社の具体的なスケジュールについては明らかにしなかった。

　Yahooは現在、Inktomiのアルゴリズム検索技術をテスト中だが、その一方で、同社が米Overture Servicesを16億3000万ドルで買収したことにより、AltavistaとFast Search & Transferの2つのWeb検索製品をまもなく受け継ぐことになっている。同社は今秋にOverture買収を完了する予定で、買収が完了すれば、YahooはAltaVistaとFastの検索技術の価値を評価することになる、とAltaVista元最高経営責任者（CEO）でOvertureのウェブ検索部門責任者のJim Barnettは話している。

　オーストラリアでは、Inktomiは通常Googleが提供している検索結果のごく一部で利用されている。Yahoo Australiaの検索プロデューサーPeter Croweは今週、同社を含む複数の地域ポータルで、Inktomi技術をテストし、Googleと比較評価していると述べていた。Croweは、Inktomiが各地域市場で適切な検索結果を提供できるのであれば、Yahooは躊躇なくInktomiエンジンに切り替えるという。

　Weinerはこれ以外のYahooの新たな検索技術についても、概略を説明した。たとえば、検索を個人用にカスタマイズする新機能では、ユーザーに個人情報を求め、その情報をもとにそのユーザーのための検索結果を提供するという。また同社は、ユーザーが複数の販売店の品物の価格と機能を比較したり、商品をYahooで購入できるようにする、新製品検索サービスを大々的に開始する予定だという。