ウォールストリートのアナリストによると、Yahooによる有料検索サービスベンダーのOverture Services買収は、当初の話よりも収益性の高いものになるかもしれない。
U.S. Bancorp Piper Jaffrayの株式アナリスト、Safa Rashtchyによると、Overtureは2004年度のYahooの1株当たり利益に5セント分貢献するかもしれないという。これは、2004年度のEBITDA(利払い費用・税金・減価償却前利益)が1億9800万ドルに達するとのOvertureの開示資料に基づいて同氏が先に予測した1株あたり2セントを上回る数字だ。ウォールストリートは同社のEBITDAが1億4000万ドルに達すると予測している。
OvertureがYahoo傘下になった後に同社の提携戦略が悪い結果に終わる恐れがあることを考えると、この情報開示には大きな意味がある。アナリストは、Yahooの買収によってMicrosoftのMSNポータルが有料検索パートナーとしてOvertureを排除し、Overtureの売上高に占める割合を大幅に減らすことを懸念している。
しかし、Rashtchyは投資家に向けたメモの中で、OvertureによるMSNとの関係が悪化した場合の予測は慎重過ぎると書いている。
「これらの新しい予測値が以前の考え方よりも非常に強気であることは明確だが、検索市場の成長率が急伸しているため、これらの予測が控えめな結果となってしまう可能性もある」(Rashtchyのメモ)
Yahooは、Overtureを16億3000万ドルで買収する意志があることを7月に発表した。買収によって同社は、最も収益性の高い提携先を傘下に入れることになる。各種申請書類によると、OvertureはYahooの四半期売上高の20%に寄与しているため、同ウェブポータルの収益性維持に欠かせない存在だ。Yahooは前四半期に3億2140万ドルの売上高から5000万ドルの利益を計上しており、Overtureの寄与分は約6400万ドルだとされている。
Microsoftの経営陣によると、OvertureはMicrosoftのMSNポータルとも契約を結んでおり、Yahooとほぼ同額の売上があるという。経営陣によると、Microsoftは長期的な選択肢を探しながらも当面はOvertureの利用を継続するという。
Overtureでは入札した用語をだれかがクリックするたびに広告主が費用を支払うという検索用語のオークションも開催している。YahooやMSNにはウェブ検索を利用するユーザーが数百万人存在するため、Overtureがこれらポータルと結んだ契約は膨大な利益を生み、その数字は今も伸び続けている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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