米スタンフォード大学から密かに誕生した新興企業、Kaltixがウェブ検索が抱える難題の解決に取り組んでおり、いずれ現在のGoogleを凌ぐGoogleが誕生するかもしれない。
Kaltixは、スタンフォード大学PageRankチームの3人のメンバーによって数カ月前に設立された。PageRankチームは、Googleの共同設立者で、同大学出身のLarry Pageが開発した数学アルゴリズムをさらに発展させる目的で結成された研究グループだ。
PageRankは、ウェブのリンク構造を利用してウェブページの人気度を判断する検索技術で、ウェブ検索を行う際の利便性では、他の検索技術の追随を許していない。Kaltixは、このPageRank技術の基礎をなす計算の速度を上げることにより、同技術の改善を図りたい考えだ。
この取り組みはいずれ、「パーソナライゼーション」として知られるウェブ検索開発の最先端分野における、画期的発明の基礎となる可能性を秘めている。パーソナライゼーションの目的は、Googleが開発した多数の総意に基づく検索アプローチではなく、個々のユーザーが持つ特定のニーズや関心に基づいて検索結果をソート(分類)することにある。
Kaltixは、自社の計画や技術についてほとんど詳細を明らかにしていない。しかし同社の基本戦略は、自社技術をすべての大手検索プロバイダが追及している技術革新のスイートスポットに置くことにあるようだ。いまやウェブ検索は、Yahoo!やMicrosoftのMSNといったポータルにとって収益の柱となっており、業界各社は技術者を結集し、検索をパーソナライズするための技術開発に取り組んでいる。
検索業界以外のウェブ企業も、かねてからパーソナライズ機能の開発に取り組んできたが、その大半は期待外れに終わった。例えば、Amazon.comでは、顧客が過去に購入した本の関連書籍の情報を、定期的に提供するサービスを行っているが、もはや実用性はなさそうだ。また、ビデオ録画デバイスメーカーの米TiVoが提供したパーソナライズ機能は、わずか数回テレビ番組を選択しただけで、男性同性愛者をテーマにした番組が推奨されるとの報道が広まり、批判を浴びた。
このように数々の取り組みが失敗に終わったにもかかわらず、開発者たちは、いずれマーケティング拡大や売上増のチャンスを生み出すパーソナライズ技術を開発し得るとの信念を持ち続けている。
開発者がそうしたパーソナライズ技術の開発に成功すれば、何百万人ものユーザーがより容易にウェブをナビゲートできるようになり、また多くの無名サイトが脚光を浴びることになるだろう。また、パーソナライズされた検索が、マーケティング費用に対する最大のリターンを求めている広告主からの、新たな収入源をもたらす可能性もある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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