米RegistryProは、新しいトップレベル・ドメインである「.pro」の公認管理会社だ。同社で現在売り出し中の、この新ドメインは、医者や弁護士、会計士などの専門家に向けたもので、同社によれば、2〜3週間内にも利用可能になるという。
同社COOのSloan Gaonは8月7日、San Franciscoで年に1度開かれるAmerican Bar Associationの会議の席上で、専門化されたドメイン名と、身分証となるようなデジタル証明書の組み合わせで、新ドメインに各分野で活躍する専門家を呼び込むのが、自社の狙いだと語った。「考えてみてほしい。48文字の組み合わせで、だれでも取得が可能な.comドメインを選ぶか、もしくはシンプルで同僚から・・・そして願わくば、一般からも信頼された.proドメインを選ぶかを」(Gaon)
インターネットの行政母体であるICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)は2年前、.proを含む計7つの新規トップレベルドメインの追加を決めた。当時、インターネットでの住所となるドメイン名の取得を巡って、数少ないパイの争奪戦が始まることが予見されていたからだ。だが、.infoや.nameといった新ドメインは想定されていたほどにはポピュラーなものにはならなかった。なぜなら、.comドメインほどの価値を見い出せなかったからである。
だが、 RegistryProのGaonは、安心感を与える身分証などの意味からも、特に医者や弁護士が.proドメインを利用することになるだろうと楽観的だ。「多くの医者や弁護士は、すでに.comドメインを取得している。だが、医者の名前をかたってバイアグラや類似品を販売する輩のように、.comドメインには多くの詐欺師がいるのも事実だ。.comドメインは、さながら都市の繁華街である。ただし、そこはポルノやギャンブルといったもので汚されているエリアだ」(Gaon)
RegistryProの認証プログラムには、ユーザーの利便性を向上させるデジタル証明書の利用も想定されている。たとえば弁護士なら、クライアントとの間で交わされるやりとりの秘匿性を保つために、このデジタル証明書が利用できる。また医者であれば、法律で定められている患者のカルテ情報を保護するために、この証明書を利用することもできるだろう。
RegistryProはドメイン登録所として機能し、申請者に対して直接ドメインの販売を行うことはない。ドメインの販売は、登録事業者として知られる再販事業者に任せることになる。これは、ICANNが設定したルールの下では、登録所と登録事業者を同時に兼ねることはできないからだ。
実際のドメインの販売にあたっては、RegistryProはドメイン登録の番人として機能する。申請者は、.proドメイン取得のために医者や弁護士、会計士であることを証明しなければならない。Register.comの子会社である同社は、申請者の情報を基に登録の可否を検討する。
.proドメインの維持費は年間300ドルで、登録事業者の手数料は35ドルとなっている。名前の早期申し込みは可能だが、先着順で好きな名前が入手できる保証はない。9月上旬の.proドメインが利用可能になった日に、抽選で決定が行われる。
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