米MSN、とりあえず米オーバーチュアとの関係を維持

 米Microsoftの運営するポータルサイトMSNでは、長期的な代替案を模索しつつ、当面は有料検索パートナーである米Overture Servicesとの関係を維持していくと、同社の上級幹部があらためて語った。

 Microsoftのバイスプレジデント、Yusuf Mehdiによるこのコメントは、米国時間24日に行われた同社のアナリスト向け会議のなかで、MSNがOvertureを間もなくお払い箱にするのではないかとの推測に答えたもの。この推測の要因となったのは、ライバルのYahooが2週間前に発表した16億3000万ドルに上るOverture買収の提案である。

 Mehdiによると、MSNではOvertureとの契約を打ち切る予定はないという。MSNとOvertureとは、2004年末までOvertureのスポンサー付きのテキスト検索結果をMSNのサイトに提供する契約になっている。だが、長期的には、同ポータルが独自の商用検索事業を立ち上げることも検討すると、Mehdiは加えた。

 この戦略は、Microsoftのアルゴリズムベースのウェブ検索に対するアプローチを反映している。Yahooが今年初めにMSNのウェブ検索パートナーであるInktomiを買収した際、多くのアナリストが予想したのとは異なり、MSNではInktomiとの関係をすぐには断ち切らなかった。しかし、MSNは最近になって独自のウェブ検索技術立ち上げに向けた作業を開始し、同サービス構築のためにソフトウェア専門家を採用している。同社では、まだこれがInktomiの代替技術になるかどうか明言していないが、業界観測筋の大方の予想では、そうなるだろうと見られている。

 MSNではOverture、Inktomi、およびLookSmartといった検索パートナーとアウトソーシング提携を結んでいる。

 Overtureとの契約では、MSNは終了期限前にこれを解消できる選択権を握っている。金融アナリストによると、この契約文の中にはYahooがOvertureを買収した場合、MSNはこの契約を白紙にできるとの「撤退」に関する条項があるという。この条文では買収があった場合、Overtureに対してMicrosoftに5000万ドルを支払うことが義務づけられていると、あるアナリストは述べた。

 YahooはOverture買収の意向を発表する前に、提携パートナーのなかからMSNを失う可能性を検討したことを匂わせていた。MSNはOvertureの年間売上高の3分の1近くを占めており、今年度の売上高は3億5000万ドルになる見込み。Yahooは、このような潜在的損失を計算に入れても、自社の保有するネットワークの各サイトにスポンサー付き検索結果を展開することで、Overture買収の元が取れると見込んでいる。だが同社では、Overtureの提携パートナーも完全にサポートする予定だとしている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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