「懲役5年、罰金25万ドル」-違法ファイル交換者に厳罰を科す新法案

 米民主党下院議員が16日(米国時間)、ピア・ツー・ピア(PtoP)のファイル交換を行った者に厳罰を科す新たな法案を議会に提出した。同法案では、著作権者の許可なくファイルを1つでも交換した者には、最高懲役5年、罰金25万ドルが科される。

 米下院司法委員会で民主党主席議員を務めるJohn Conyers (ミシガン州選出)が作成した「Author, Consumer, and Computer Owner Protection and Security Act」(ACCOPS)は、大手レコード会社や映画スタジオが重大な脅威と考えているPtoPネットワークの閉鎖を目的とした、米議会によるこれまでで最も思い切った試みといえる。

 すでに1997年から「No Electronic Theft Act」が施行されているが、同法の存在はほとんど知られておらず、現在も多くのPtoPユーザーが技術的には刑法違反を犯しているのが実情だ。しかし、ACCOPS法案が立法化された場合、検察官は著作権で保護されたファイルが繰り返しダウンロードされていた事実を証明する必要はなく、単にファイルが誰でも入手可能な状態に置かれたことのみを立証すればよくなる。

 これに対し、サンフランシスコに拠点を置く公民権擁護団体、Electronic Frontier Foundation(EFF)は、同法案を非難している。「ファイル交換を行う人々を投獄しても何の解決にもならない」とEFFの弁護士Fred von Lohmannはコメントした。

 ACCOPSのその他の内容は以下の通り。

  • 検索ソフトウェアを配布する者は、同ソフトの使用にはセキュリティ/プライバシーリスクを伴うという内容の警告を、ダウンロードする者に対し「明確かつ目立つ形で」提示しなければならない。この場合の「検索ソフト」の定義は幅広く、「第三者による(パソコンへの)データ保存を可能にする」全てのアプリケーションが含まれる。違反者には最長6カ月間の懲役が科される。
  • ドメイン名を登録した上で、金品を詐取する目的で故意に虚偽の連絡先を提示した者に対して、罰金と最長5年の懲役を科す。
  • 著作権違反の容疑者捜索に役立てるため、米司法省に対し各国政府との情報共有を命じる。共有される情報には、「著作権侵害の際に使用された技術的手段」や「侵害行為を行った者の身元や所在地」などが含まれる。
  • 「映画館で上映されている映画」を録画する行為を罰する、新たな著作権犯罪を創設する

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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