米Microsoft会長のBill Gatesが24日(米国時間)、顧客向けの定期メールレターの中で、大量に押し寄せる迷惑メールを根絶するための政府や各企業の協力を求めたことで、同社では対スパム戦争に関する語調を一段と高めている。
「スパム問題は非常に深刻で、電子メールが実現した利点をほとんど打ち消してしまうほどの脅威だ」とGatesはこのメールのなかで述べている。
Microsoftによるスパム撲滅の動きはますます活発化しており、最近では、Microsoftのアドレス宛てに合計20万通の迷惑メールを送信したと言われているスパム業者を相手に、15件の訴訟を起こした。
同社はまた、スパム業者がMicrosoftの無料メールサービスHotmailを利用するのを制限し、MSN利用者が不要メールをより効果的に検索し削除できるようにしている。
Gatesはメールレターの中で、同社が現在メールボックス用の「スマートスパムフィルタ」などの技術的対策について研究を進めており、常にスパム業者の技術の進化に合わせて適合できるようになると言っている。
「スパムと普通のメールの境界線は、完全に個々人の判断に委ねられる」とGatesは書いている。「しかし、スマートフィルタは各ユーザーの嗜好を学習し、1人ひとりに合わせたスパム対策システムをつくりあげることができるもので、スパム業者の活動を非常に困難にする」
また、次世代のMicrosoft Exchangeサーバーソフトでは、簡単にExchangeに自動接続できるようなスパムフィルタを、他のソフトウェアメーカーでも作れるようになるという。「我々の目的は、手段を尽くして電子メールシステムを守ること。サーバー側で、スパムの入口を監視、制御していく」(Gates)
Gatesは、商用メールと個人メールを識別するためのガイドライン作りに、IT企業、顧客グループ、そして合法的業者の協力を求め、それにより、企業も個人も必要なメッセージだけを簡単に選出できるようになると述べている。
Gatesはさらに、政府がスパム対策により大きな関心を払うようになったことを賞賛し、産業界の努力に加えて、厳しい刑罰を与えるシステムにより企業や個人への砲撃を続けるスパム業者に対抗する必要性を訴えた。「自主規制には、強力な政府の法的支援が必要だ。それによりユーザーは合法的な権限を保障され、合法的な電子商取引の活気を損ねる心配もなくなる」とGatesは書いている。
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