「AOLには、もうウンザリ」:Gnutella作者、愛想を尽かす

 PtoPソフトGnutellaを開発したJustin Frankelが、自ら設立した米Nullsoftを去ることを検討しているという。Frankelが自らのウェブサイトで明らかにしたもの。Nullsoftは米AOL Time Warner傘下の米America Online(AOL)に1999年に買収されている。

 この数日前、Frankelは小規模グループでファイル共有を可能にする自作のプログラムWasteをNullsoftのウェブサイトでリリースしたが、その翌日にAOLは、同プログラムへのリンクを削除した。Frankelはこれまでも、ソフトウェアの開発計画を巡り、AOLと何度も衝突していた。

 Frankelは自身のウェブサイトで、「コーディングは自己表現の1つ」と語り、「AOLは、私の最も重要な自己表現手段をコントロールしている。独立した1人の人間として、私にはこの干渉は受け入れ難く、だから私は(会社を)去らなくてはならない」と心境を綴っている。

 Frankelは、「(退社の)具体的な日程はまだ分からないが、遠い日の話ではない」と述べ、「別のことをやるべき時期に来たと気が付いた」と付け加えている。

 Nullsoftには「高度なアプリケーションを開発する能力を持つが、商業的成功に関心のない」、いわば因習打破タイプのプログラマグループが集まっている。Frankel率いる同グループは、MP3プレーヤーのWinamp、個人向けネットラジオ放送ソフトウェアのShoutCast、PtoPファイル交換ソフトウェアGnutellaといった製品を開発してきた。

 特にFrankelが初めて開発したWinampは多くのユーザーを獲得し、そのためAOLが買収の手を伸ばした。しかし、今回のFrankelの辞意表明により、Winampのバージョンアップにも暗雲が立ち込めることになる。

 AOL Time WarnerがFrankelの仕事に口をはさむのは、これが初めてではない。2000年にFrankelがGnutellaをリリースした際は、AOL幹部がAOL Time Warnerの系列会社である米Warner Music Groupとの摩擦を懸念し、激しい抗議を行ったため、このプログラムは公開後24時間もたたないうちに引っ込められてしまった。

 しかし、この間にダウンロードされたGnutellaのコードが開発コミュニティで広がりを見せ、後にLimeWireなどの違法ファイル交換サービスの中核部分に使用されたため、Frankelはグループ内で悪評を得ることとなった。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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