広告業界団体、ネットトラフィック測定の大手2社に公開書簡--調査手法の監査を要求 - (page 2)

文:Caroline McCarthy and Elinor Mills(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2007年04月24日 15時12分

 このニュースに少なくとも1人のウェブサイト創設者が満足している。「トラフィック調査会社に外部監査を受けさせるのは大変素晴らしいことだ。(調査会社が)これまで監査を受けていなかったのは意外だ」と語るのは、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)サイトTribe.netの共同創設者であるMark Pincus氏だ。同氏はさらに次のように続けた。「すべてのウェブサイトが共通して抱える、矛盾のない、信頼できるトラフィック測定の問題は、業界の長年の懸案だった」

 Weather Channel Interactiveの最高技術責任者(CTO)であるDan Agronow氏は、comScoreとNielsen//NetRatingsに対し、Weather.comへのトラフィックが過少報告されていることについて苦情を述べたという。また同氏は、両社の調査プロセスに「苛立ち」を覚えていると語った。

 Agronow氏は、「ここまでこぎつけるのに時間がかかったが、今回の件は業界のすべての企業にとってプラスになると考えている」と述べ、さらに「われわれは、(comScoreとNielsen//NetRatingsの)両社と緊密に連携し、われわれのサイトへのトラフィックの数値の修正に努めてきた。しかし、うまくいく時もあれば、失敗に終わる時もある」と付け加えた。

 全米広告主協会(ANA)の会長兼CEOのBob Liodice氏は「このような状況がおよそ7年間続いてきた」と述べた上で、自ら進んで、オンライントラフィックの報告用統計データに関する説明責任の強化を要望したグループの中に、ANAの加盟企業も含まれていたと語った。「マーケッターたちは、あらゆるメディアに多大な広告費を費やしている。インターネットは最も説明責任の重いメディアだが、MRCの認定を受けていない」(Liodice氏)

 また、オンライン出版業界団体Online Publishers Association(OPA)のプレジデントを務めるPam Horan氏によると、OPAの加盟企業もcomScoreとNielsen//NetRatingsから出されたトラフィックの数値について不満を述べてきたという。Horan氏は、「われわれも今回の件を支持する」と述べた上で、「(トラフィックの測定方法に対する)透明性を求め、正確なトラフィック測定が確保されることは(中略)大きなプラスだと考えている」と語った。

 広告会社Publicis Groupeのコンサルティング部門であるDenuoでシニアバイスプレジデントを務めるTim Hanlon氏は、「最も測定が容易なメディア(であるインターネット)のトラフィックが、依然として全く正確に測定できないというのは皮肉な話だ」と述べた上で、「しかし現実問題として、われわれはサードパーティーの客観的なデータが必要だ」と付け加えた。

 ウェブサイトのトラフィックを正確に測定できなければ、オンライン広告費の減少を招く恐れがある、とDraizen氏は指摘する。インターネットだけでなく、ゲーム内広告といった新しい広告手段に投じられる広告費が増加傾向にある中、トラフィック測定に対する信頼がこれまで以上に重要だという。

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