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ポータルサイトはモバイルも制すか--ヤフーとエキサイトの取り組み

2005/07/15 21:59
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 7月15日、東京ビッグサイトで開催された「WIRELESS JAPAN2005」にて、ポータルサイト最大手のヤフーならびにエキサイトがそれぞれ自社のモバイルビジネス戦略について語った。

 この講演は「3Gと定額制で変わるモバイルコンテンツ・ビジネス」というプログラムの中で行われたもの。第3世代携帯電話とパケット定額制の普及が進む中、モバイルコンテンツ市場の大きな伸びが注目されている。この動向をにらみ、PCポータル2社がモバイルコンテンツ・ビジネス戦略について、次のように語った。

PCとモバイルの垣根をなくしていく--ヤフー

「PCとモバイルのどちらからでも、ユーザーが常にYahoo!のサービスにアクセスできるようにする」と語る久保田氏

 まずヤフーのプロデューサーで、「Yahoo!モバイル」を担当する久保田紀之氏は「コンテンツポータビリティ〜ユビキタス社会のモバイルコマース〜」と題された講演の中で、同社のモバイルサービス「Yahoo!モバイル」のユーザー動向を紹介した。

 Yahoo!モバイルはYahoo! JAPANの約80種類のサービスのうち約50種類が利用でき、1日あたり3000万ページビューと国内最大級の規模を誇る。モバイル・コンテンツ・フォーラムの調査によれば、携帯電話のサイトで最もブックマークされている サイトだという。

 ユーザーの動向を見ると、Yahoo!モバイルユーザーのうち約8割がPCと携帯電話を併用してヤフーのサービスを利用している。また、82.9%のユーザーはたとえばヤフーのメールを携帯電話から確認するなど、ほぼ毎日もしくは週に何回かは、Yahoo!モバイルを利用している。中でも同社が注目しているのは「Yahoo!オークション」の利用だ。

 Yahoo!オークションは、平均出品数811万件、月間71億6100万ページビューを持つ国内最大のオークションサービス。月間取扱高は約530億円となっている。同サービスの利用者のうち86.9%はPCから利用しているが、Yahoo!モバイルからの入札や出品物の価格動向を見る「ウォッチリスト」の利用は徐々に増えているという。

 「2004年のモバイルオークションの市場規模は526億円だが、Yahoo!オークションが頑張ることで、2005年はこれを倍にしていきたい」(久保田氏)。なお、Yahoo!オークションの全落札数のうち、約1割がモバイルからのものだという。「今後、この比率を2〜3割にしていきたい」と久保田氏は話す。

 PCとモバイルの利用動向を比較すると、落札される商品に違いがあるようだ。PCで落札されるものは自動車やコンピュータなどが多いが、モバイルではファッション関連が1位で、おもちゃやゲームが多くなっている。

 モバイルオークションの利用を後押ししている要因は何か。1つにはもちろんパケット定額制がある。Yahoo!モバイル利用者のうち54.5%がパケット定額制を利用しており、携帯キャリア各社のこの取り組みが、モバイルコンテンツ・ビジネスの推進に一役果たしているのは間違いない。また、PCと携帯電話といった垣根を越え、「デバイスを問わずコンテンツサービスを利用する」という利用者側の意識が高まってきたことも背景にあるだろう。久保田氏によると、「これこそコンテンツポータビリティだ」という。

 さらに同社では、モバイルコンテンツとしてYahoo!オークションの価値を高めるため、携帯とPCのさらなる融合(ポータビリティ)を高めていくという。例えば、PCから出品した時でも商品の写真を携帯電話からアップロードできるようにしていくという。「PCと携帯電話の差別なく、均一の高品質なサービスを提供する」のがヤフーの戦略だ。

「携帯電話でもPC並みの表現力と付加価値を」--エキサイト

「モバイル広告にもナショナルクライアントを呼び込みたい」と冨田氏は意欲を見せた

 一方、「PCポータルサイトのモバイル戦略」という題名で講演したエキサイト モバイルビジネス部長の冨田義博氏は、“メディア”としてのモバイルコンテンツを強く意識している。「新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、インターネットに続く第6のメディアとしてモバイルインターネットを考えたい」(冨田氏)

 PCポータル市場で3位を争うエキサイトは、購買意欲の高い「F1・M1層(20〜34歳の男女)」に向けたコンテンツ提供を意識してサイトを作ってきた。その結果、同社の売上比率でいうと、広告が50%、課金コンテンツ33%、ブロードバンドサービス8%、ECその他で8%と、広告出稿メディアとしての認知が高いという。モバイルコンテンツもPCサイトと同じ効果を上げるために、「広告商品」としての付加価値を高める戦略だ。

 「PCに比べ、携帯電話のブラウザでは表現力や情報量が落ちてしまうのは事実。このため、PCポータルのエキサイトで培ったFlash技術を用いて、デザイン力に優れた携帯用Flash広告の開発に取り組んでいる」(冨田氏)。またPCの使い勝手を携帯電話でも実現するよう、プログラマーズファクトリと提携し、携帯電話からPC用サイトが見られるフルブラウザアプリ「Scope」のエキサイト版を7月末から配布する。

 ほかにも、携帯電話に搭載された非接触ICチップ「FeliCa」とエキサイトのクレジット事業を組み合わせたり、PCポータルで行っている音楽配信事業をモバイルサービスへ拡大するなど、リッチなコンテンツと便利さを追求し、差別化を図る方針だ。

 いずれにせよ、モバイルコンテンツ・ビジネスは、いままさに火蓋が落とされたばかり。PCポータルで培ったコンテンツ開発力や技術を活かし、モバイル市場を凌駕するのはどこになるか、興味深いところだ。

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