Adobe Systemsは米国時間6月10日、「AIR 2」をリリースした。ソフトウェア基盤としての機能がアップグレードされている。
「AIR」は、Windows、Mac OS X、Linuxなど、様々なコンピューティングプラットフォーム上で、ネットアプリケーションを動作させるためのプログラミング基盤。近い将来、Googleの「Android」搭載携帯電話がこれらのプラットフォームに加わる予定だ。同ソフトウェアは、Adobeの「Flash」に加え、ビルトインの「WebKit」ブラウザエンジンによって、HTMLおよびJavaScriptで記述されたスタンドアロンのプログラムも実行することができる。もっとも、AIRアプリケーションはブラウザ内で動作するのではなく、独立して動作する。
AIRは大きな課題も抱えている。同技術は今後リリース予定のバージョン2.2でAndroid搭載端末向けに提供されるが、それと同時にAppleの「iPod touch」「iPhone」「iPad」といった「iOS」搭載端末からは排除されたため、クロスプラットフォームというその利点が一部損なわれてしまっている。ブラウザ内でHTMLおよびJavaScriptを使用すれば、AIRで可能なかなりの処理を実行できるが、Mozillaの「Prism」など、ウェブアプリケーションをブラウザフレームから解放しようという動きは、あまり進んでいない。また一般的に、開発者らに新しいプログラミングプラットフォームを利用するよう促すのは容易ではない。
Adobeは、AIR 2がその状況を変えると期待している。Adobeによると、その新機能には以下のようなものがある。
AIR 2は、こちらも10日にリリースされた「Flash Player 10.1」の改良による恩恵も受けている。
Flashは、AppleとAdobeの間で繰り広げられる論争のさなかにある。AppleはFlashを、バッテリ消費が高く、安全性と安定性に欠けた技術であるとこきおろしているのに対し、Adobeは、Appleが開発者らの選択に大きな圧力をかけようとしていると批判している。Adobeは、ハードウェアアクセラレーション機能を利用することなどにより、Flash、そしてAIRのMacs上での改善に取り組んでいる。またAdobeは、「Gala」というプロジェクトを通じ、Appleがハードウェアアクセラレーションを利用するためのインターフェースを解放したことに伴って可能となった、ビデオデコーディングの改良にも取り組んでいる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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