Adobe Systemsの「Flash」テクノロジに対する反対の声が高まっているが、同社は米国時間5月19日、ウェブプログラミングに対する取り組みの中で、Flashが唯一の武器とならないように懸命に努力していることをアピールした。
Google I/Oカンファレンスで、Adobeの最高技術責任者(CTO)であるKevin Lynch氏は、同社のウェブサイト作成ツール「Dreamweaver」を対象とするHTML5アップデートのリリースを発表した。ウェブページ標準の改訂版としてその仕様を未だに策定中のHTML5は、Flashに対する脅威の鍵となる要素だが、Adobeはその代替テクノロジを積極的に取り入れていく姿勢を示している。
そうした兆候が最初に現れたのは3月のことで、Adobeは様々なスクリーンサイズに対応できるCSS3と、「Canvas」と呼ばれる2Dグラフィックスに関するHTML5の要素のデモを披露した。Adobeは当時、「これは次版のCreative Suiteには含まれない」と述べたが、Dreamweaver CS5のリリースから3週間しか経過していない今、同チームはこれまでよりも迅速な反応を示している。
Adobeは同社が3月に披露したHTML5とCSS3のデモに対するそうした「圧倒的な反応」を聞いて、「CS5の後でそれを発表することに決めた」と同社のCreative Solutions部門の製品管理担当シニアディレクターであるLea Hickman氏はインタビューの中で述べた。「HTML5を巡る興奮と、それがもたらす全てのことは本当に刺激的だ。Dreamweaverには、そうした進歩をさらに加速するのを支援する極めて大きな機会がある」(Hickman氏)
AdobeのFlash擁護広告キャンペーンを見ても明らかなように、現在の状況は、Adobeがこれら2つのテクノロジのいずれか1つのみをサポートするという二者択一的な状況ではない。
HTML5アップデートは「Adobe Labs」サイトで公開される予定だ。このアップデート自体によって、ウェブ開発者はHTML5コーディングを閲覧したり、管理したりできるようになり、ソフトウェアは新しいシンタックスやオプションの影響を受けない、とHickman氏は話した。アップデートには「WebKit」ブラウザの新版も含まれており、開発中のウェブプロジェクトのライブプレビュー機能を利用できる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
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