クロノス、「OpenGL 4.0」を発表

文:Stephen Shankland(CNET News) 翻訳校正:編集部2010年03月12日 10時18分

 「OpenGL」を推進する団体Khronos Groupは、高度なグラフィックスをプログラマーが容易に処理できるようにすることを目的とした、同インターフェースの新しいバージョンを発表した。

 「OpenGL 4.0」には、他のコンピューティング処理やテセレーションにGPUを使用するためのサポートがさらに追加されている。テセレーションとは、よりきめ細かな画像を実現するためにグラフィックスオブジェクト上の領域を多数の小さな区画に分割する処理である。パイオニア的存在であったSilicon Graphicsのグラフィックスライブラリに端を発するOpenGLはその後、多くの異なるコンピュータシステムで使用される標準へと進化し、現在はKhronos Groupによって管理されている。

 Khronosは発表において、「OpenGL 4.0は、『DirectX 11』と同等のGPU能力を持つ」と述べた。DirectX 11とは、Microsoftが提供する競合インターフェースである。同社は米国時間3月11日、Game Developers Conferenceにおいて、OpenGL 4.0と、これまでのバージョンに対するアップデート版である「OpenGL 3.3」を発表した。

 OpenGL 4.0は、通常はメインプロセッサが処理しなければならない多くの作業をグラフィックスチップに処理させることができる「OpenCL」という技術と互換性がある。グラフィックスチップはすべての処理に適しているわけではないが、ビデオゲーム処理など、多くの演算が生じるような一部の処理には対応することができる。射撃型ビデオゲームだけでなく、最新OSにおいても、3Dグラフィックス機能が要求されるようになった今、グラフィックスチップは着実に強力になっており、より広く使用されるようになってきている。

 Khronosが発表したOpenGL 4.0の新機能は、以下のようになる。

  • CPUの代わりにGPUがジオメトリテセレーションを処理できるようにするための2つの新しいシェーダステージ
  • 向上したレンダリング品質とアンチエイリアスの柔軟性に対応した、サンプルごとのフラグメントシェーダと、プログラム可能なフラグメントシェーダ入力ポジション
  • CPUの介入なく、OpenGL、またはOpenCLなど他のAPIによって生成されたデータを描画
  • 著しく向上したプログラミングの柔軟性に対応するシェーダサブルーチン
  • サンプラーオブジェクトと呼ばれる新しいオブジェクトタイプの追加による、テクスチャの状態とデータの分離
  • 改善されたレンダリングの精度と品質に対応する64ビット倍精度浮動小数点シェーダ演算および入出力
  • インスタンスジオメトリシェーダ、インスタンスアレイ、新タイマークエリといった性能の改善

 OpenGLには、AppleのiPhoneを含む携帯端末向けの「OpenGL ES」や、ウェブブラウザアプリケーション向けの「WebGL」というバージョンも存在する。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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