日本国内のデータセンターサービスは2013年にも1兆円産業に――。IDC Japanが1月6日に発表した予測で明らかになっている。
同社の調査によれば、日本国内のデータセンターサービス市場は2008年で前年比12.5%増の7612億円。2009年は前年比7.2%と成長率は鈍化して規模は8158億円になると見込んでいる。2009年から2013年までの年間平均成長率は12.8%で推移して2013年には1兆3213億円になると予測している。
2008年に景気後退の影響を受けて、2009年の同市場の成長は鈍化しているが、IDC Japanでは2010年以降に景気が回復するにつれて、国内のデータセンターサービス市場の前年比成長率は上昇に転じると予測。また、2013年までの伸びは比較的高水準で推移するとも見込んでいる。
だが都市部を中心に、データセンター事業者の大規模な増設や新設が予定されていて、需給が緩むことから価格低下圧力が強まるとも同社では見ている。
同社の伊藤未明氏(ITサービスリサーチマネージャー)は、「単純な設備貸しとしてのデータセンターサービスだけでは、差別化が難しくなっている」と現状を説明。その上で今後は「データセンターの運用品質や信頼性の高さなど、サービスの種類と質による差別化が重要になる」との見解を明らかにしている。
2008年以降の急激な景気後退を受けて、企業では経費抑制圧力が強まっていて、システム運用を外部委託する動きが鈍くなっている。また、すでに外部のデータセンターに運用委託している企業の場合、委託範囲を絞り込む動きが見られるようになっているという。
このため、サーバやストレージなどのハードウェアの設置場所を貸し出す「コロケーション」と、データセンター事業者が所有するサーバを特定顧客専用に貸し出す「専有ホスティング」は、新規利用のための費用が大きくかかることから需要が伸び悩んでいるとしている。
その一方でデータセンター事業者が所有するハードウェアを複数企業が共有して利用する「共有ホスティング」は、料金が安価ですむことが多く、景気後退の影響は比較的小さくなっているという。
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