コンピュータを誰かと共有するといっても、必ずしもコンピュータを代わる代わる使うということではない。
Microsoftは、教室で1台のPCを使って複数の生徒が同時に別々の作業を行える製品に取り組んでいる。2010年に登場の予定だ。
マウス、キーボード、ディスプレイは個別に用意され、それぞれが自分のアプリケーションで作業するが、その処理は「Windows Server」の新しいバージョンを搭載したPC1台だけで行う。この新しいOSは「Windows MultiPoint Server 2010」と呼ばれている。
Windows MultiPoint Server担当のゼネラルマネージャーIra Snyder氏は、ブログで次のように述べている。「この数年間、われわれはMicrosoftでシェアドリソースコンピューティングの分野を研究してきた。この新しい分野の狙いは、顧客がコンピュータの使われていない余分な能力を活用し、1台のコンピュータで複数ユーザーによる同時利用に対応できるようにするものだ。教育の現場においては、シェアドリソースコンピューティングによって安価なコンピューティング環境を生徒に提供できるようになり、活用の規模がさらに広がる大きな可能性がある」
Windows MultiPoint Serverのアプローチは、eMachinesの元最高経営責任者(CEO)Stephen Dukker氏が会長兼CEOを務める新興企業NComputingのものとよく似ている。同社取締役会の共同会長を務めるWill Poole氏もWindows担当のMicrosoft元幹部で、発展途上国向けの取り組みを指揮した経歴を持つ。NComputingは、WindowsベースとLinuxベースのシステムを学校や企業に販売している。
Windows MultiPoint Serverは、キーボード、マウス、ディスプレイを最大10組備えたシステムを構成できる。最新のサーバOS「Windows Server 2008 R2」がこの製品の基になっている。Windows MultiPoint Serverを搭載したシステムは、コンピュータメーカーが製作し、米国および世界の学校に提供することになる。
Windows MultiPoint Serverは、既存の「Microsoft MultiPoint」と名称で重なる部分があるが、別の製品だ。Microsoft MultiPointでは、各自がマウスを持つが1つの画面で作業する(注:次のリンク先の動画では、当時MicrosoftにいたPoole氏がMicrosoft MultiPointのマウスについて話をしている)。
Windows MultiPoint Serverの料金について、Microsoftはまだ明らかにしていない。ただ、ソフトウェアの面で言えば、Windows MultiPointのシステムではサーバのライセンスと、接続する設定の数だけクライアントのアクセスライセンスが求められる。
今のところMicrosoftは、Windows MultiPoint Serverは教育市場のみを対象にした製品だとしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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