マサチューセッツ州ケンブリッジ発--Google.orgの気候およびエネルギーイニシアチブ担当ディレクターを務めるDan Reicher氏は、われわれが未開拓の再生可能エネルギー源の上に立っていると述べる。つまり、強化地熱発電だ。
Reicher氏は米国時間5月12日、マサチューセッツ工科大学が主催し電力会社NStarが一部の資金を提供したClean Energy Prizeの受賞者発表の場において、大学生らを前に講演した。
クリーンエネルギー推進の話題に加えてReicher氏は、Googleが現在プライベートベータ版の段階にあるウェブベースの家庭用エネルギー監視ソフトウェア「PowerMeter」を「非常に近い将来」発売する予定であると述べた。同ソフトウェアは現時点では、家庭における電化製品の消費電力の監視が可能だが、Googleは将来的には、消費者がオフピーク時のより安価な電気料金を利用できるようにする機能や需要反応プログラム(Demand Response Program)を追加する予定である。
同社の主要事業は検索であるにもかかわらず、Googleは再生可能エネルギーと効率化を積極的に推進している。同社は、非常に大きなソーラーアレイで電力を得るプラグイン自動車を何台も所有し、ハイテク技術を利用したエネルギー問題への取り組みの推進に向けて政治家らにも影響を与えようと活動している。
またGoogleは、強化地熱システムを開発するAltaRock Energy、太陽熱技術を提供するBrightSource Energy、風力発電に従事するMakani Powerなど、いくつかのエネルギー企業に投資もしている。
Reicher氏は講演において、大きな可能性を秘めているが最も見過ごされている分野として強化地熱発電を取り上げた。「風力発電の3倍の可能性を秘めており、今では石油企業やガス会社も関心を寄せている」(Reicher氏)
蒸気に変換して電力を生成することのできる地下熱が存在する地域には、すでに多くの地熱発電所が稼働している。
強化地熱技術では、岩を掘削して地熱によって熱せられた水を貯めるための貯水池を作り、地下深くから水をくみ上げることが必要となる。
Reicher氏は、強化地熱発電の大きな利点は、米国のほとんどどこででも実現可能である点だと述べた。メイン州のような地域でも、地下3〜10kmまでの掘削が必要ではあるものの、十分な地熱が存在すると同氏は述べた。石油企業やガス会社は掘削や地質学に詳しいため、この事業に非常に適している。
非常に大きな可能性を秘めてはいるものの、実用化のリスクはそれと同程度に高いとReicher氏は述べた。「誇大宣伝するつもりはない。まだまだ道のりは遠い」と同氏は述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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