Canonicalは現地時間11月13日、同社のLinuxデスクトップオペレーティングシステム(OS)「Ubuntu」の新版として、ARMの「Cortex-A8」「Cortex-A9」プロセッサアーキテクチャ専用バージョンを開発すると発表した。
従来、ARMベースのプロセッサは、携帯電話などの小型端末に使用されてきた。しかし、10月に、ARMの技術が間もなく「ネットブック」と呼ばれる新しいタイプの小型、低価格ノートPCに導入されることが明らかになった。またCanonicalも6月に、Ubuntuのネットブック版を開発する発表している。Canonicalの13日の発表の背景には、これらの事情がある。
ARMのマーケティング担当バイスプレジデントIan Drew氏は声明で、「最新のARM技術をサポートしたUbuntuデスクトップディストリビューションの完全版がリリースされれば、いつでもどこでもインターネットが利用可能な超小型端末が開発され、発展に貢献する」と述べ、さらに「Canonicalとの連携により、接続されたすべてのプラットフォーム向けの新機能の開発や技術革新への道が開ける」と付け加えた。
Drew氏は13日に行われたZDNet UKのインタビューの中で、ARMとCanonicalの協力は、ドライバやグラフィックスサポートといった分野にまで及ぶと語った。同氏は「Ubuntuをある命令セット(x86)から別の命令セットに移行させる」と述べた上で、「インターネットをどこでも利用可能にすることがわれわれの目標であり、これもその一環だ」と語った。
これまでに発売されたネットブックにはOSとしてWindowsかLinuxのどちらかが搭載されてきた。これまでに出されたいくつかのレポートを見ると、Linuxベースのネットブックの返品率は(Windowsベースのネットブックに比べて)著しく高いと書かれている。この原因についてCanonicalは、オープンソースOSが本質的に劣っているからではなく、消費者がLinuxになじみがないためだと指摘する。
Canonicalの最高執行責任者(COO)Jane Silber氏は、ARMとの提携はCanonicalにとってUbuntuを普及させるチャンスだと強調する。
Silber氏は「これはUbuntuにとって自然な成り行きだ。メーカーの間で(Ubuntuの)ARM技術を基礎としたバージョンに対する需要が高まれば、Ubuntuはさらに普及する」とし、さらに次のように続けた。「ARMプラットフォーム上で開発に取り組んでいるフリーソフトウェア開発者の巨大なコミュニティに参加することにより、ARMのエコシステムに、完全な機能を備え、最適化されたUbuntuディストリビューションを確実に提供できる。それにより、自分のデジタルライフスタイルに最適なOSを探している消費者の選択肢が拡大することになる」
ARMとCanonicalによると、デスクトップPCとネットブック向けUbuntu ARMディストリビューションの正式なリリースは2009年4月だという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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