Intelは米国時間10月28日、ソリッドステートドライブ(SSD)がハードディスクドライブと比較するとバッテリ寿命を最高30分延ばすことが可能だと発表した。
SSDは、速度における優位性も考慮に入れると、ハードディスクドライブと比較して2つの点で優っていることになる。しかし、SSDが価格面でもハードディスクドライブに優ることができるのは当分先のことになるだろう。この点と、ハードディスクドライブはより大容量のものが提供されている点を考えると、ハードディスクドライブは2009年も競争力を維持することになるだろう。
Intelは当面、SSDの速度と電力効率という利点をアピールしていくようである。
ほとんどの独立系ベンチマークテストでは、SSDのパフォーマンスがハードディスクドライブのそれを上回っている。そしてテストによっては大きな差が付いているものもある。これは現在、既知の事実となっている。しかし、優劣が明確ではない分野として電力の消費効率がある。Intelは28日、電話会議において、この議論に終止符を打とうとした。
Intelのフェローであり、ストレージアーキテクチャ担当ディレクターであるKnut Grimsrud氏はプレゼンテーションの前置きとして、見落とされることが多いものの、IntelがSSDを製造する理由の1つに「IntelのCPUの本当の価値を実現するため」ということがあると述べた。言い換えれば、IntelのプロセッサとSSDを組み合わせたシステムは、全体的に優れたパフォーマンスを、より効率よく達成することができるということになる。
電力消費に焦点を当てたプレゼンテーションの中で、Grimsrud氏はまず、IntelのSSDを5400rpmと7200rpmのハードディスクドライブと比較した。同氏はスライドを示し、IntelのSSDはその稼働時間の約96%が低電力状態であるのに対して、ハードディスクドライブは約10%しか低電力状態にないと主張した(グラフ参照)。
同氏はSSDの電力消費効率が高い理由を「われわれの考える電力消費効率とは、ある一定量の仕事を完了するためにどれだけの電力を消費するかということだ」と説明している。
「このため、実行する作業当たりの電力消費量を測定するか、1ワット当たりで実行できる作業の量を測定することになる」(Grimsrud氏)
グラフの1つでは、IntelのSSDの「アクティブ時の電力」が競合他社の2種類のSSDの中間になっているものの、Grimsrud氏はIntelのSSDが競合他社のドライブよりもアクティブ時により多くの仕事をこなしていると主張した。同氏は「アクティブ時にどれだけの仕事をこなせるかが問題なのだ」と述べている。
より具体的に言えば、入出力(I/O)操作ごとにどれだけの電力が消費されるのかということである。Grimsrud氏は「それが本当の電力効率の測定指標なのだ」と述べている。また同氏によると、「電力消費が低くても、処理速度が非常に遅ければ、そのSSDは電力消費効率に優れているとは言えない。それは同じ割合で仕事をこなしていないだけなのだ」という。
実世界のシナリオにおいて、Intelは3つのシステムを示した。ハードディスクドライブを使用するもの、競合他社のSSDを使用するもの、IntelのSSDを使用するものの3つである。ハードディスクドライブと競合他社のSSDが4時間でバッテリを消費したのに対して、IndelのSSDではバッテリがそれよりも32分長持ちした。これはバッテリ寿命が13%延びたことになるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス