NVIDIAは米国時間10月15日、Intelが支配する統合グラフィックスチップ市場で直接的な脅威となる「GeForce 9400M」を発表した。
Appleが新しい「MacBook」製品ラインで9400Mを選択したことで、Intelのチップセットに組み込まれた低コストソリューションである、Intelの統合グラフィックスチップの支配力に暗雲が立ち込めてくる可能性がある。Intelは現在、AppleがこれまでのMacBookや「MacBook Air」にIntelのグラフィックスチップを採用してきたのを始め、統合グラフィックスチップ市場を事実上支配している。
しかし、今回、Appleは違った。Appleは調査を行い、最高経営責任者(CEO)であるSteve Jobs氏は14日、新型MacBookの性能が向上した背景に9400Mがあることを指摘した。ほかのPCメーカーも9400Mに注目しているに違いない。
NVIDIAのノートブックマーケティング担当ディレクターであるBill Henry氏は、14日の(Appleの)発表はPCメーカーからの「相次ぐ発表の第1弾」であり、「大手OEMのほとんどが設計に取り組んでいる」と述べた。
ディスプレイサイズが10〜12インチの小型のノートブックの設計に関して、Henry氏は、「9400Mは、10インチや12インチの(ノートブックの)設計で優れたグラフィック性能を得るのに理想的だ」と述べた。これらは通常、ウルトラポータブルノートブックと呼ばれている。
9400Mの重要な機能には、ゲームプレイ時のパフォーマンスを高める16基のストリーミングプロセッサの統合と、NVIDIAの統合グラフィックスチップを外付けのグラフィックボードと組み合わせて高速化できるHybrid SLIと呼ばれるテクノロジがある(SLIはScalable Link Interfaceの略)。
NVIDIAはまた15日、9400Mには、これまでのNVIDIAのモバイル向けグラフィックスチップが抱えていたような問題はないと明言した。一部のNVIDIAのモバイル向けチップでは、不良なダイとパッケージング材料により、問題が発生していた。
「われわれはチップの製造に使っている材料を変更した」(Henry氏)
また、NVIDIAは、「AppleはMacBook開発プログラムの中で問題を十分認識していた。今後、問題が起こらないようにするため、NVIDIAが対策を講じたことにAppleは満足している」という声明を発表した。
9400Mは、Taiwan Semiconductor Manufacturing Company(TSMC)により、65ナノメートルプロセスで製造されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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