Microsoftのドキュメントフォーマット「Office Open XML(OOXML)」の正式な標準化は、国際標準化機構(ISO)に対して異議申し立てが行われたことから、遅れる可能性が出てきた。
OOXMLは2008年4月初め、各国の標準団体から標準化認定を受けるに足る票を集めた。その後、ISOの標準化手続きに従って、「Draft International Standard(DIS) 29500」という正式名称の技術標準として、手続きの延期や中止を求める申し立てを受け付ける2カ月間の期間に入った。延期や中止を求めるには、ISOの「Pメンバー」(参加メンバー)が決定に対して正式に異議を申し立てる必要がある。そうした中、「南アフリカ標準局」(SABS)が米国時間5月22日、異議を表明するメンバーとなった。
南アフリカ共和国の標準団体であるSABSは、OOXMLが正式にISO標準化認定を受けたプロセスに対して、さまざまな点で異議を唱えている。その1つは、投票の前に開かれた投票結果調停会議(BRM)の参加メンバーが、OOXMLと他の標準との間にあるとされる矛盾について話し合うことが許可されなかった点だ。SABSは、BRMで採用された「一括投票」方式にも異議を申し立て、一括投票が原因で、OOXMLに関して浮上している技術上の問題の多くが未対応だとした。これは、ISOのガイドラインに照らして不適切だった、とSABSは主張している。
SABSはまた、ISOはOOXMLの標準化認定を発表してから1カ月以内に各国の標準団体にDIS 29500の最終テキストを発行しなかったが、これもISOの規約で定められた必要条件に反している、と主張した。
南アフリカの書簡にはこう書かれている。「結論として、南アフリカは、不十分な形で実施されたBRMの結果である、不適切な情報に基づく最終投票の有効性に異議を申し立てる。また、ごくわずかな時間で膨大な情報を分析することを、すべての関連団体に終始一貫して求めた、手続きの有効性にも異議を申し立てる。BRMは、手続きの所与の目的を果たすのに十分な時間をまったく与えなかった。そのせいで、ISO規則では時間の制約がないにもかかわらず、限られた時間で相当数の重要な回答について協議し、決断しなければならなくなった」
南アフリカはこの文書でさらに、OOXMLの認定手続きは「ISOと国際電気標準会議(IEC)の名声を傷つけ、ISOの規約に正式に記載されている手続きの評判を落とし、その結果、ISOおよびIECの全加盟団体の評判も傷つけた」と主張している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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