AMDは次期グラフィックス製品に使用される次世代メモリを高らかに宣伝しているが、Nvidiaはより慎重である。
AMDは米国時間5月20日、GDDR5(Graphics Double Data Rate, version 5)の初の商用実装品を間もなく発売される次世代「ATI Radeon」グラフィックボード製品で採用すると発表した。
広く報じられているようにAMD製の新しいボードにはAMD「Radeon HD 4850」および「Radeon HD 4870」グラフィックスチップが搭載される予定だ。
「GDDR5によってサポートされるデータレートが高いほど(最大でGDDR3の5倍、GDDR4の4倍)、より狭いメモリインターフェースでより多くの帯域幅を確保できる。つまり、より小型でコスト効率の高いチップで高いパフォーマンスが得られることを意味する」とAMDは声明で述べている。
一方、Nvidia(本社:カリフォルニア州サンタクララ)もこのテクノロジをサポートしているが、より慎重なアプローチを取っている。Nvidiaでテクニカルマーケティング担当ディレクターを務めるBarry Wagner氏は、同社はGDDR5タスクグループで副会長の地位を占めていると述べている。「われわれはGDDR5の仕様策定にかかわっているので、GDDR5を採用した製品を開発したい場合、少なくともその仕様はわれわれが満足できる方法で設計される」(Wagner氏)
Nvidiaの計画に詳しい情報筋によると、同社は次世代の「GeForce GTX 260」および「GeForce GTX 280」グラフィックスチップを6月中ごろに発表する予定である。
「われわれは特に特定のインターフェース技術に固執していない」とWagner氏は言う。Nvidiaは自社製品でGDDR3をサポートしているが、GDDR4インターフェースは使用していない。Wagner氏によると、NvidiaがGDDR4を採用しなかった理由は、「結局、われわれはより優れたアーキテクチャと製品ラインを構築したし、それらの製品によりコストパフォーマンスに優れたメモリを装着することができた」(Wagner氏)からである。
Wagner氏はさらに、GDDR4は必ずしも他のインターフェースと比べて市場での実績が良いわけではないと付け加えた。
該当するセグメントからの要求があればNvidiaはGDDR5を採用するかもしれないとWagner氏は述べる。「われわれのビジネスの一部のセグメントにとって採用することに意味があると思われる場合には、それを採用するだろう」(Wagner氏)
メモリチップメーカーのQimonda、Hynix、サムスンは、JEDEC仕様のGDDR5インターフェースを使用したチップを出荷している。
QimondaはAMDと提携したと発表した。「QimondaではGDDR5が大量に出荷され、AMDの次世代グラフィック製品を最大限にサポートできるようにAMDと緊密に協力している」とQimonda AGの最高執行責任者(COO)であるThomas Seifert氏は声明で語った。
AMDはまた、ストリームプロセッシングでGDDR5を使用する利点についても言及している。「ゲームやPCアプリケーションの性能を向上させる潜在力に加えて、複雑な超並列計算にGPUが使用されるストリームプロセッシングにおいてもGDDR5は多くのメリットを持っている」(AMD)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」