Windows Vista Capable訴訟の一環として公開された文書には、多くの興味深い情報が含まれている。
あるメールには、MicrosoftがIntelの圧力に屈し、Vista Capableステッカーが貼られるために必要なグラフィックス要件を引き下げたことが書かれている。また、別の文書では、DellがVistaの発売に関してMicrosoftとの間で発生した問題や、同社の多くの準備プログラムに関する問題について概説している。
これらの文書の全文を読みたい場合は、Seattle Post-Intellingencerがすべての文書を網羅したPDFファイルを掲載している。Todd Bishop氏のブログからもリンクが張られている。
さらにもう1つ、先週注目を集めたのは、初期版Vistaに発生した膨大な数のクラッシュの原因がNVIDIAにあったという点だ。これは、2007年初頭のあるメーリングリストから明らかになった。それらのメーリングリストによると、Vistaの初期のクラッシュのうち、NVIDIAが原因で発生したものは全体のおよそ30%に上り(その報告の正確な期間は記載されていない)、Microsoftが原因だったものがおよそ18%、さらにIntel、ATIが原因だったものがそれぞれおよそ9%だった。
NVIDIAの広報担当ディレクターDerek Perez氏は米国時間3月28日、「これらの問題は1年半前から存在した」と語った。Perez氏によると、同社はこれらの問題に対し、多くの対策を講じたという。例えば、ユーザーがそのような問題を報告できるウェブサイトを立ち上げたこともその1つだ。その結果、同社は、そのようなエラーの発生を大幅に減らすうえで、大きく前進したという。「今後もドライバの改善は続ける」(Perez氏)
また、Microsoftは声明の中で、新しいグラフィックスドライバの作成に伴う複雑さを指摘した。
「Microsoftは、ハードウェアの互換性をテストするために、社内で包括的な対策を講じている。また、パートナー企業と直接連携することにより、顧客が問題に直面するはるか以前に互換性の問題に対処している」と同社は述べ、さらに次のように続けている。「しかし、テストは多種多様な状況下で行うにしても限度がある。特に、グラフィックドライバに含まれているような格別複雑なコードのテストの場合はなおさらだ。Microsoftはこうした事情を理解した上で、あるシステムを構築した。そのシステムでは、問題の早期発見を促し、それらの問題の修復に尽力し、さらに妥当と認められる場合は、Windows Updateを通じて顧客にもそれらのプロセスを行うよう促す場合もある。NVIDIAも同様の対策を講じてきた。そして、Windows Vistaの発売以来、Microsoftは、NVIDIAによって生じる潜在的問題への対処において大きな進歩を遂げた」
私が抱いている疑問の1つは、バグの出るドライバを提供することと、Microsoftに圧力をかけて同社のグラフィックス要件を最適な水準以下にまで引き下げさせることのどちらが悪いのかという点だ。前者は、NVIDIAが行い、後者もIntelが行ったと見られる。NVIDIAはドライバの改善が可能であり、実際にこれまでに改善してきた。しかし、2006年に、当初Vista Capableロゴの要件を満たしていなかったIntel製グラフィックスチップを搭載した多くのシステムが販売された。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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