Googleは、Adobe Systemsの「Photoshop」などのWindows版の「Creative Suite(CS)」ソフトウェアをLinuxコンピュータで動作するようにする取り組みに資金を提供している。
このプロジェクトでGoogleは、WindowsソフトウェアをLinuxで動作させるオープンソースの「Wine」をベースとしたソフトウェアを開発しているCodeWeaversのプログラマーに資金を提供している。Wineは互換レイヤであり、プログラムのWindowsコマンドをとらえて、それをLinuxカーネルとグラフィックスサブシステムの命令に変換する。
「当社ではCodeWeaversを雇って、Photoshop CSおよびCS2のWineでの動作を向上させようと取り組んでいる」とGoogleのソフトウェアエンジニアリングチームに所属し、Wine 1.0のリリースマネージャーであるDan Kegel氏はGoogleのオープンソースのブログで述べている。「PhotoshopはデスクトップLinuxユーザーが常に要求しているアプリケーションの1つであり、現在ではPhotoshopが良好に動作するようになったとわれわれは喜んで報告することができる。(中略)われわれはこの分野でさらに改良を加えていきたいと考えている」(Kegel氏)
GoogleはすでにWineを使用して写真を編集、タグ付け、アップロードする画像管理ソフト「Picasa」のLinux版をリリースしている。しかし、Photoshopは大規模で複雑なパッケージであり、言うまでもなくCS3から1年近くアップデートされていない。したがって、CodeWeaversのプログラマーは多くの仕事を抱えることになるだろう。
デスクトップLinuxの提唱者であるNovellの調査では、Linuxユーザーが最も欲しいと思っている非LinuxアプリケーションはPhotoshopであることがわかった。AdobeはデスクトップLinuxの分野に足を踏み入れているが、これまでのところ大きな動きは見せていない。
そして現在のテクノロジのトレンドを考慮すると、ひょっとするとAdobeはLinux移植版の必要性をけっして認めることはないかもしれない。ParallelsやVMwareなどの企業から仮想化ソフトウェアが発売されており、Advanced Micro DevicesおよびIntelといったチップメーカーのサポートも向上し、同一のコンピュータで複数のOSを動作させることがより簡単になってきているからである。
(The 451 GroupのアナリストMatthew Aslett氏の調査による)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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