Linuxの生みの親であるLinus Torvalds氏は、Linuxオペレーティングシステム(OS)のグリーン化に必要なインフラやツールの環境が整っていると語った。同氏は今週、オーストラリアのメルボルンで開催の同国最大のLinuxカンファレンス「linux.conf.au」に出席した。
Torvalds氏は、同カンファレンスで行われたインタビューの中で、Linuxは消費電力管理ツールやエネルギー診断ツールで後れを取っていると認めた。
「2〜3年前、われわれは(グリーン分野で)かなり遅れを取っており、インフラを構築するだけで相当の時間を要した。しかし、やっとその作業の大半が完了した」(Torvalds氏)
「しかし、これで終わりというわけではない。ようやくインフラが揃い(中略)消費電力を測定し、消費電力の増加とその理由を知らせるためのツールも揃った。これは特に重要だ。かつて、その点はブラックボックスの状態だった」(Torvalds氏)
またTorvalds氏はLinuxの将来についても触れ、カーネルは安定しており、カーネルの保守に貢献している人々のコミュニティーもカーネルの安定性を維持しようとしていることは喜ばしいことだ、と語った。
「われわれは依然として、特に新たなハードウェアについて、多くの事に取り組んでいる。しかし、全体として、基本事項の多くはその中に含まれていると考える。現在、われわれが取り組んでいるのは、保全性の向上とコードの改善だ。コードを改善することにより、機能の追加がより簡単に行えるようになる」(Torvalds氏)
また引退について質問されると、Torvalds氏は、今はそのつもりはないと答えた。また、仮に自分が引退したとしても、Linuxには強力なサポートコミュニティーがあるので、Linuxユーザーたちは「気付かないだろう」と語った。
「(引退後についての)質問が出たが、その点については全く心配していない。私の役割を引き継げる人はほかに沢山いる。彼らは私ほどうまく作業をこなせないと思いたいが、だからと言って(Linuxが)消えたり、困難な状況に陥るということはない」(Torvalds氏)
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