コンピュータの世界に初めてワームが登場したときのパニックを覚えているだろうか?われわれは2008年に、初のデータセンター崩壊という事態を迎えて同様の危機に直面するだろう、とSun Microsystemsでエココンピューティングチームを率いるバイスプレジデントのSubodh Bapat氏は予測する。
Bapat氏は米国時間12月3日、記者たちとの夕食会で、「1年後には、大規模な機能不全を目にすることになる。データセンターであの規模のパニックが起こる」と話した。
「あの規模」というのは、1988年にコーネル大学の大学院生Robert Morris Jr.氏が作成したワームによる被害の規模のことだ。このときは、インターネットを介してUNIXベースのマシンのおよそ5%が同氏の作成したワームに感染し、人々がパニックに陥った。実のところ、これがきっかけとなってセキュリティ産業が興隆するようになった。
もちろん、今回の話は単なる予測で、必ず起こるという確証はない。しかし、状況的にはあり得ないことではないのだ。インターネット経由で行う処理や作業が溢れんばかりに増えたおかげで、データセンターが急成長し、各企業が次々と自社のデータセンターを構築するようになった。しかし、仮想化のようなテクノロジをもってしても、それを維持するのは並大抵のことではない。いずれデータセンターが崩壊し、人々が再びパニックに陥る可能性は高い。
ただ、IT業界にとってはいくぶん喜ばしい見方もある。Bapat氏をはじめSunの幹部は、もしそうした事態になれば、IT業界に構築ラッシュが起こるという面もあり、サーバやストレージシステムなどデータセンター用機器の大口注文がメーカーに入ることになる、と話す。
Sunの幹部によると、データセンターの寿命はおおむね10年から12年だという。したがって、ドットコム時代の初めに構築されたデータセンターの多くは、そろそろ再構築しなければならない時期にきている。また、一方ではFacebookのような企業も急速に規模を拡大している(Sunの最高技術責任者(CTO)、Greg Papadopoulos氏は何度かFacebookに言及した。もしかするとSunは、Facebookの仕事をしているか、あるいはしようとしているのではないか。あくまでも推測だが)。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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