Microsoftは、1年前にリリースしたオペレーティングシステム(OS)「Windows Vista」の一部の不備を修正すれば、顧客はVistaが「Windows XP」よりも優れている点にもっと注目し始めると期待している。
米国時間11月14日朝に行われたインタビューの中で、Microsoftのコーポレート・バイスプレジデントMike Nash氏は、それまで使用していたソフトウェアが正常に動作しないことがわかって、多くの消費者のVista初体験はがっかりするようなものだったことと、ハードウェアに最適なドライバがそろっていなかったことを認めた。
しかしNash氏は、今ではかなり状況が改善されていると主張する。ハードウェア用ドライバは、リリースされただけでなく、すぐに手に入れることができる。
「借り物競走をする必要はない。『Windows Update』からダウンロードできる」(Nash氏)
Microsoftは今週、ワイヤレスネットワークの問題と、報告されたクラッシュ事例の1〜2%の原因になっているUSB関連の問題など、Vistaにつきまとう最もやっかいな問題の一部を解決する3つのパッチをリリースすると発表した。
Microsoftは、「Windows Live」オンラインサービスというOSの新しい改良方法も試している。たとえば、ここから提供している写真管理プログラムと電子メールクライアントは、Windowsに組み込まれているバージョンを本質的に置き換えるものだ。こうした動きを受けて消費者がより良い体験をする可能性が出てきたが、OSの基本的な部分に変更があるわけではないのなら、企業はさらにテストしようという気にならないだろう。
「われわれがすでに決定したのは、こうした体験を提供する方法だ。コミュニケーションであれ、思い出であれ、Liveを通じて提供する」とNash氏は述べ、「Windows Live Photo Gallery」のようなツールに言及した。「現在のVistaの写真機能は、1年前に出荷したときのVistaと比べて大幅に向上した」
一方Microsoftは、Vistaそのものの初めての大々的なアップデートとなる「Service Pack 1(SP1)」については、バグの修正と信頼性の向上などにとどめる意向だ。
「VistaのSP1は機能に関係はない。メンテナンスに関係するものだ。新バージョンのOSは『Windows 7』だ」(Nash氏)
開発コード名で次世代のWindowsに触れながらも、Nash氏は機能やリリース時期といった新しい情報は明かさなかった。だが、リリース時期については2010年頃を目指していると見られている。
だが、人々がどう認識するかという問題が依然として存在する。Appleは、Vistaと、VistaからXPにダウングレードしている人がいるという事実をからかう一連の新しい広告を展開しているが、MicrosoftのVista関連のマーケティングは、大半が店内やオンラインで、もしくはパートナーを通じて行われており、少なくとも印刷広告やテレビ広告といった人目を引く方法でのマーケティングは影を潜めている。
MicrosoftがAppleのようなマーケティングキャンペーンを打ち出すべきだと考えているわけではないが、現在、Vistaをもっとも頻繁に話題にしているのはAppleだ。Microsoftにとってこれがいい状態とは思えない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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