Microsoftのライセンス2つが、オープンソースライセンスの承認を行なうOpen Source Initiative(OSI)により正式に承認された。しかし、これを苦々しく思う人もいることだろう。
OSIは、氾濫するライセンス数を減らすことを目的に活動しているが、明らかに、Microsoftのライセンスがオープンソース定義の基準を満たしているだけでなく、承認に値すると考えたことになる。
OSIは米国時間10月12日に声明で、「これらのライセンスが、オープンソース定義の基準10項目を満たし、したがって承認されるべきであるという決定に対し、オープンソースコミュニティーからの(満場一致ではなかったものの)圧倒的な同意が得られた」と述べる。OSIはまた声明で、「Microsoftとオープンソースコミュニティーは最近、対立的な関係にあるが、対話における姿勢は前向きなものであり、その結果も同様に前向きなものとなることを期待する」と語った。
承認された2つのライセンスは、「Microsoft Public License」と「Microsoft Reciprocal License」である。
Microsoftは、フリーでオープンソースのプログラミング環境に関しては否定的な意見も多く抱いているものの、今回の承認についてはOSIに謝意を表明した。
同社は16日の声明で、「これは、開発者らの新たな要求に効果的に対応するための、Microsoftのオープンソース戦略の前進と、引き続きオープンソースコミュニティーへの参加を図る同社の取り組みにおける画期的な出来事である」と述べた。
Microsoftの最高経営責任者(CEO)であるSteve Ballmer氏は、オープンソースソフトウェア理念を「非米国的」や「癌」 などと表現したことがあった。より最近では、同社が正面対決的な姿勢をやや和らげ初めてからも、Ballmer氏は、Linuxなどのオープンソースソフトウェアが235件のMicrosoftの特許を侵害しており、Red Hatの顧客はMicrosoftの特許技術に対し支払うべきであると述べた。
同時に、プログラマーらと密接な関係を長期にわたって育んできた同社は、オープンソースの動きにおける一部の要素については称賛するとも述べた。そして徐々に同社のプロプライエタリなソースコードの一部を公開する方向へと移行しつつある。ただし、しばしば参照してもよいが変更は禁止するといった条件などの制約を課しており、そのような条件は、オープンソースソフトウェアにおいて許可される自由とは相反するものである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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