インテルは9月5日、サーバ向けプロセッサXeonファミリーのクアッドコア製品を発表した。「クアッドコア インテル Xeon プロセッサー 7300番台」(開発コード名:Caneland)は、マルチプロセッサ(MP)サーバ向けでは業界初のクアッドコアのプロセッサという。
Xeon 7300番台は、「インテル Coreマイクロアーキテクチャ」がベースとなっており、「これですべてCoreマイクロアーキテクチャへの移行が完了した」と、インテル 代表取締役共同社長の吉田和正氏は説明する。「7300番台は、従来のデュアルコア製品の2倍以上の性能と3倍以上の電力性能を実現している。より多くの処理がより少数のサーバで可能となるため、仮想化やサーバ統合にも最適だ」(吉田氏)
Coreマイクロアーキテクチャの採用で電力効率に優れた7300番台は、動作周波数が2.93GHzで熱設計電力が130ワットの製品と、動作周波数が2.40GHz、2.13GHz、1.60GHzで電力80ワットの製品、また4ソケットのブレードサーバや高密度のラックマウント型サーバに最適化された1.86GHzで動作する50ワットの製品がある。
また、7300番台には「インテル バーチャライゼーション・テクノロジー」(インテルVT)が搭載されており、ソフトウェアの仮想化機能をハードウェアでより最適化する。会場には、7月にIntelの投資部門から出資を受けたVMwareの日本法人 代表取締役社長 三木泰雄氏も登場し、実行中の仮想マシンを別のサーバーに無停止で移動させる「VMotion」というライブマイグレーション機能のデモを行った。
こうしたライブマイグレーション機能は、フェイルオーバーや負荷分散、災害復旧、リアルタイムのサーバメンテナンスなどに有効だ。現在は、アーキテクチャ上の機能が同じサーバ間でのみライブマイグレーションが可能となっているが、インテルが年内にも発表する初の45nmプロセス製造によるプロセッサ「Penryn」(開発コード名)では、45nmプロセスと現行の65nmプロセスとのアーキテクチャの違いをハードウェアで吸収し、異なるアーキテクチャでのライブマイグレーションも可能とする「インテルVT FlexMigration」機能が提供される予定だ。
7300番台は、同日より出荷開始する。1000個受注時の価格は、X7350(動作周波数2.93GHz、システムバス1066MHz、L2キャッシュ8Mバイト、熱設計電力130W)で26万9000円となっている。
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