UPDATE Sun Microsystemsが、マイクロプロセッサ販売ビジネスに再度参入する。
同社(本社:カリフォルニア州サンタクララ)は米国時間8月7日、新しい「UltraSPARC T2」マイクロプロセッサと、同チップベースのサーバを同時発表する計画だ。Sunでは、2007年後半に市場投入するサーバに8コア、64スレッド搭載マイクロプロセッサのUltraSPARC T2を採用する計画だ。
しかし同社は、ストレージ機器、ネットワーキングデバイス、セットトップボックスなどの各種コンピュータ関連サードパーティーメーカーにも同チップを販売していく。
Sunの最高経営責任者(CEO)、Jonathan Schwartz氏はインタビューのなかで、「サーバ市場に販売対象を限定するようなことはしたくない。サーバ市場の成長速度はストレージやネットワーキング市場にかなわなくなる。製造するならもっと汎用的なものを製造して幅広い市場に投入した方がよい」と語っている。
Sunは、これらのさまざまな市場に対応すべく、コアの数が少ないものや低消費電力版など、T2を複数のバージョンで投入する。
フル機能の本格版UltraSPARC T2では、価格をどのようなチップ市場でも法外な額と見なされる1000ドル以下に抑えるが、シンプルなデザインのチップでは価格をさらに下げる。Schwartz氏によると、Sunでは既に、購入が予想される世界各国のネットワーキングやストレージ関連など、複数の企業に対して説明を行っているという。
しかし、Sunがこれをビジネスとして確立するのは容易なことではない、と少なくとも1人のアナリストは話している。
Insight 64のアナリストNathan Brookwood氏は、「チップを購入するときは、チップの販売を専門にするところから買いたいと考えるものだ。これまで膨大な量のPowerPC用コードを書いてきたCiscoを説得できるかどうかにかかわらず、UltraSPARCへの移行は大仕事になる」と語っている。
それにもかかわらず、Brookwood氏は(これまで「Niagara 2」と呼ばれていた)UltraSPARC T2のパフォーマンスを高く評価し、Sun製サーバのパフォーマンスが大幅に向上する、と語っている。Sunのサーバは、UltraSPARC T1サーバ発売時にもパフォーマンスが飛躍的に向上している。
Sunは、ここ最近やや活気づきつつもある。ここ数四半期はマーケットシェアも回復し、6月締めの四半期には38億ドルの売上高から3億2900万ドルの利益を計上した。昨年同期の決算は3億100万ドルの赤字だった。
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