NECは8月2日、10月1日より民間提供が開始される気象庁の緊急地震速報に対応した表示ソフトウェア「震前大使(しんぜんたいし)」を開発したと発表した。同日より販売開始する。
震前大使は、気象庁から配信される震源地や震度、規模(マグニチュード)などの緊急地震速報を受信用サーバが受け取り、配下の端末など設定された最大128カ所に対し、地震の到達時間や震度を計算して情報を再配信する機能が備わっている。例えば、地点Xで発生した地震情報を解析し、地点Aは10秒後に震度5強、地点Bでは15秒後に震度5弱、地点Cでは25秒後に震度4というように、設定地ごとの震度を計算し各端末に表示できる。
また、既存の機器やシステムと連携するための接点出力や連携用プログラムも提供している。接点出力は、サーバから機器に対して接点信号を発することで、パトランプやブザー、エレベータなど接点入力を有する機器を制御する。また、連携用プログラムは、サーバと館内放送システムなどの他システムをソフトウェアで連携するもので、他システムが地震の到着時間や震度の情報をサーバから受信して独自にシステム動作を制御できる。
例えば、学校や病院での館内放送と連携した注意勧告・トラブル回避、消防署や警察署などでの無線や指令システムと連携した初動対応の迅速化などが可能となるほか、緊急車両が出動できなくなる状況を回避するためにシャッターを自動的に開くなどの予防措置を施すこともできる。ほかにも、ビル管理システムや工場の生産ライン管理システムと連携することで、ビル設備、工場設備を制御し、地震が来る前に自動的にエレベータを最寄りの階に停止させたり、生産ラインを止めたりといった対処も可能だ。
なお、緊急地震速報は配信事業者により複数の配信方式で行われているが、震前大使は気象業務支援センターやリアルタイム地震情報利用協議会(REIC)など、複数の配信業者の通信規約に対応している。
新製品の価格は、サーバ用ソフトウェアが90万円(税抜き)、端末用ソフトウェアが1台当たり2万円(税抜き)。NECでは、今後3年間に200システムの販売を見込んでいる。
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