Dellは、Microsoftの「Vista」への移行に関する問題を企業向けに警告するという、同OSを搭載した同社製品の売れ行きに影響を与える大手PCベンダーとしては異例の行動に出た。
今回のケースでは、ハードウェアベンダーである同社が、Vistaへの移行により追加のハードウェアが必要になることを企業に向けて警告している点において特に異例である。
Dellの欧州クライアント・サービス・ビジネス・マネージャーであるNiall Fitzgerald氏は米国時間7月4日、「企業は、インストールするイメージの数とサイズに注意する必要がある」と述べた。「ユーザーがそれぞれ2Gバイトのイメージを所有するとしたら、その影響は大きい」(Fitzgerald氏)
Microsoftは以前、Vistaは1Gバイトのイメージで大丈夫だと述べていたが、Fitzgerald氏は、サイズが2Gバイト以上のイメージもあり得ると述べた。
Fitzgerald氏によると、これを理由にDellは、企業にアップグレードを強く推奨するのを「控えている」という。「この件に関して必要な指針や支援を提供する準備はできている」と同氏は述べた。「Microsoftの宣伝をして、人々にVistaを購入するようにと勧めることはしない。Vistaの利点や、移行のためにどのような準備が必要であるかを示すことはできる」(Fitzgerald氏)
Fitzgerald氏は、問題の規模とかなりの検証作業の必要性に関するGartnerのコメントを引用して、アプリケーションの移行が主要な問題であると述べた。「検証のための時間をとる必要がある」と同氏は述べた。「Vistaは規模が大きく複雑であり、機能が多い。多くのテストが必要である。金曜日に『XP』を停止して月曜日からVistaを開始するなどということはできない。トレーニングが必要である。学ばなければならないことがある」(Fitzgerald氏)
全体的に移行に関する問題は大きく、「過小評価してはならない」とFitzgerald氏は付け加えた。しかし同氏は、それでも企業らは、Microsoftによる最初のサービスパックのリリースを待たずに移行を開始するべきであると考えている。
Microsoftは2007年6月、Vista販売数4000万本を達成した。しかしその購入者のほとんどは企業ではなく一般消費者で、企業はアップグレードを控える傾向にある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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