HPのチームがIntelのベンチマークテストを用いてTurbo Memoryのパフォーマンスを評価したところ、Intelが述べた通りのパフォーマンス向上が見られた。しかし1GバイトのTurbo Memoryは、実際には2つ(半分がReadyBoost用、もう半分がReadyDrive用)に分割されており、512MバイトのSDカードまたはUSBメモリを付加した場合も同程度のパフォーマンス向上であった。
パフォーマンスが最大に向上したのは、システムにRAMを実際に追加した場合であった。Doddridge氏は「RAMを1Gバイト追加したところ、ReadyBoostやRobsonなどの技術を利用した場合と比較して、はるかに大幅なパフォーマンス向上が見られた。十分なシステムRAMを確保できているなら、ReadyBoostはさしたる利点を生まない」と述べた。
また、ReadyBoostでは1種類のメモリソースしか利用できないという事実も、HPの決定の根拠になっている。つまりTurbo Memory(最大で1Gバイトの容量)を搭載したノートPCでは、たとえばユーザーが2GバイトのUSBメモリを利用してコンピュータのメモリを増加させることはできない。
Doddridge氏は「ReadyBoostに使用するSDカードやUSBメモリの容量を増やすことで、パフォーマンス向上が見込める。SDカードやUSBメモリを利用することで、(機器の増設時期や)価格帯を希望に合わせて選択可能になるため、ユーザーはより高い柔軟性を得ることができる。一律の出費を強いたり、512Mバイトの容量に固定したりといったことはしない」と述べた。
HPのEMEA担当ノートPCマーケティングマネージャーAndre Carvalho氏は、1GバイトのTurbo MemoryモジュールをノートPCに搭載するために約50ドルの費用がかかるという点も指摘した。同程度のメモリ増加効果を生む512MバイトのSDカードは、10ドル前後の価格である。
IntelはZDNet UKに対し、1Gバイトという容量は「エンジニアリング上の選択」によって決定したもので、採用するかどうかはメーカー次第であると述べ、Turbo Memory技術の有効性を主張した。
Turbo Memoryを採用するノートPCメーカーAsusの代理人はZDNet UKに対して、Centrino Proのリリースから1カ月近く経過しているにも関わらず、ノートPCへのTurbo Memory導入が、ほとんどのメーカーで何らかの「技術的問題」により遅れている、と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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