昭文社は5月16日、カーナビゲーションシステムや地理情報システム(GIS)の地図データを、ビル、マンションなどのオブジェクト単位で差分更新するシステムを開発したと発表した。更新のたびにすべての地図データを処理する従来システムに比べ、手間や費用の低減を図れ、更新頻度を高められるという。
従来システムでは地図データを格子状のメッシュとレイヤ単位で管理しており、更新時にはメッシュ間の連続性を確保するため、変更カ所だけでなくすべての地図データを処理する必要があった。こうした処理は負担が大きく、地図データの更新頻度は年数回が目安となっていた。
新システムでは、地図データ上にあるオブジェクトごとに、建物の形状、名称、緯度経度といった情報をまとめ、昭文社が管理する空間データベースに格納する。更新時には、昭文社の空間データベースから、カーナビやGIS側の空間データベースにオブジェクトの差分のみをインターネット配信する。
昭文社の空間データベースに格納した各オブジェクトは、配信日時などをスケジュール管理できる。たとえば新たな商業施設のオープン当日に、カーナビやGISの地図上にそれを表示するなど、リアルタイムの更新が可能という。
昭文社では開発にあたってオートデスクと協力し、空間データベースを制御するミドルウェアとして、同社のGISエンジン「Autodesk GIS Design Server」を採用した。今後は建設プロジェクト管理ASP「AutoDesk Buzzsaw」とも連携。道路や建物の工事情報を随時取得し、地図データに反映するといった共同研究も予定している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス