SWsoftは米国時間4月25日、仮想化製品に新規ユーザーを呼び込む狙いで、OS仮想化ソフト「Virtuozzo」の機能を絞った低価格バージョン「Virtuozzo Enterprise Starter Pack」をリリースする計画だ。
Virtuozzo Enterprise Starter Packは、フル機能版と同様に、LinuxやWindowsの単一インスタンスを複数の独立したコンテナに分割し、それぞれの仮想環境でより高度なソフトウェアを利用可能にする。フル機能版と異なるのは、価格が安いことと、最大2基のプロセッサを搭載したサーバで稼働し、顧客が実行可能な仮想環境の上限が4つとなっていることだ。
Starter Packの価格は、1年間の「シルバーレベル」サポート込みで1198ドル。通常のVirtuozzoの価格は、プロセッサソケット当たり1250ドルだ。
企業が業務の整理統合を目指し、サーバの数を減らして電気代と維持費を削減したい、場合によってはより柔軟なコンピューティングインフラストラクチャを利用したいと考えるようになったことで、仮想化の分野は活気づいている。主流の「x86」サーバ用の仮想化ソフト市場では、EMC傘下のVMwareが首位に立っている。VMwareの2007年第1四半期の売り上げは、前年同期比95%増の2億5600万ドルだった。
仮想マシンが各自のOSを搭載するVMwareの製品と比べた場合、SWsoftの仮想化ソフトでは、システムリソースの占有量は少なくなるが、すべての仮想環境でOSのバージョンが同じになるため柔軟性で劣る。しかもLinuxの場合、Red Hatなどが販売する標準バージョンから、OSのカーネルを変更する必要がある。
それでも、SWsoftは、同社のソフトがLinuxを損なわないことを顧客に保証するため、他社との提携を進めている。Linuxの販売業者は、Virtuozzoに採用された軽量の仮想化技術を認め、Virtuozzoの基盤となるオープンソースプロジェクト「OpenVZ」の支持を表明してきた。SWsoftは、IBMの「DB2」データベースなど、既存製品とVirtuozzoの連携で認証を得ており、Novellの「SUSE Linux Enterprise Server」にバンドルした認証済みバージョンも販売している。
Virtuozzoを利用している顧客としては、General Electric(GE)、ソニー、CNN、AOL、Hilton Hotels、Credit Suisse Group、Intuit、Lucent Technologies、米連邦航空局、Moody's、米復員軍人省、Lockheed Martin、Siemens、Cox Communications、Bertelsmann、米連邦議会、メイヨークリニック、ペンシルバニア大学などの名が挙がっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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