「日本市場におけるWindows Vistaの出荷状況は期待を下回っている」――。
マイクロソフトWindows本部本部長のジェイ・ジェイミソン氏は4月23日、東京都内で開催されたVistaに関する説明会において、当初期待していたほどVista搭載のPCが売れていないと認めた。今後はPCメーカーやソフトウェアベンダーとの協業を強化し、特に苦戦している企業内への導入を推し進める。
調査会社のジーエフケー マーケティングサービス ジャパンによれば、販売店の店頭におけるPC販売数量の推移を見ると、Vistaが発売された2007年1月は前年比7%減、2月は同7%増、3月は同3%減という結果になった。PCの販売数量が前年を上回ったのは2006年1月以来、約1年ぶりということから、「Vistaの発売はPCの販売に影響をもたらした」(グローバルアナリシス部シニアアナリストの岩渕真貴氏)が、その影響はわずかでしかない。特に3月は「個人向けは好調だったが、企業が導入に慎重なため、期待したほどは伸びなかった」(岩渕氏)という。
このためマイクロソフトでは、23日にシステムインテグレーター向けのコンサルティング制度「MicrosoftコンサルティングエクスプレスWindows Vista概要設計」パッケージの提供を開始した。これはシステムインテグレーターがVistaを利用したシステム構築をする際に検討する必要のあるポイントを手順書としてまとめたもので、「効率的に短期間でVistaの設計ができるように支援する」(マイクロソフト)という。加えて、インテグレーターのエンジニアをMicrosoft認定コンサルタントとして育成する。料金は1人あたりの認定研修料金が52万5000円(税込み)となっている。
また、個人ユーザーの開拓については、アーリーアダプター層にはすでにVista導入が進んでいるとして、より広い層へのアピールを進める。「Business版、Home Premium版、Ultimate版を合わせたPremiumエディションが期待を大きく上回って売れている」(ジェイミソン氏)。ジーエフケーの調査によれば、店頭在庫も含めたPCの店頭シェアではPremiumエディションの搭載比率が40%、メーカーの搭載比率では70%以上という。
ただし、一般のユーザーにはVistaによって何が変わるのかということを訴えきれていない。この点が課題だとマイクロソフトは認めており、セキュリティの高さや使い勝手の良さなどを体感してもらいVistaへの購入意欲を高めてもらえるようにするために、ビックカメラやヨドバシカメラなどの大手量販店の店頭でプロモーションを展開するほか、イー・モバイルやウィルコムなどと組んでVistaの利用シーンを紹介していく考えとしている。
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