日本IBMはこのほど、世界的なグリッドコンピューティングプロジェクト「ワールドコミュニティグリッド」のウェブサイトに、日本からのボランティアの参加促進を目的として、新たに日本語サイトを開設した。
ワールドコミュニティグリッドは、世界中のコンピュータのアイドリング時の膨大な処理能力をネットワークで結集し、エイズやがんなどの疾病のもととなる遺伝子や、自然災害の予測精度の改善、世界的な飢饉の防止といった研究を支援する社会貢献活動。ウェブサイトから無料でソフトウェアをPCにダウンロードすることで、誰でも簡単に人道的貢献に参加できる。
プロジェクト第1弾として2004年11月に発足した「ヒトタンパク質解析」は、2006年7月に終了し、有機体やヒトゲノムにあるタンパク質を染色体上に位置付け、約12万のタンパク質ドメインの構造を解明した。従来の研究機関が持つ計算能力で100年かかると言われた解析を、12カ月で終了している。
現在ワールドコミュニティグリッドには、世界200カ国以上、331のパートナー、26万人強のボランティアが参加し、約54万台のコンピュータ資源が提供されている。活動開始より約2年間で寄付されたコンピュータの稼働時間は、PC1台の稼働時間に換算して7万9000年分、PC1万台が約8年間連続して稼働した処理能力に相当し、現在も毎週平均1000年分の処理能力を提供し続けている。
IBMはワールドコミュニティグリッドの情報インフラ構築のため、ハードウェアをはじめソフトウェア、技術サービス、ホスティング、メインテナンス、サポートサービスを提供している。今回の日本語サイトの開設により、ワールドコミュニティグリッドのパートナーとして参画可能な企業や学術機関、人道支援団体との協力をさらに推進し、日本からの支援の輪を広げていくとしている。
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