東北大学とNECは1月26日、盗聴の困難な新しいインターネット音声通信技術を発表した。両組織は、実際に同技術ベースの通信システムを開発し、実証実験で有効性を確認できたという。
新開発の技術は、東北大学の音声信号秘密分散共有技術と、NECのマルチパスルーティング技術を組み合わせて実現した。音声データを秘密分散共有技術で複数のサブデータに分け、マルチパスルーティング技術で各サブデータの転送ルートを変えて通信を行う。
秘密分散共有技術で分散させた各サブデータは、集めても元の音声データに戻すことは難しい。そのうえ、各サブデータはマルチパスルーティング技術で異なる転送ルートを通るため、盗聴するには物理的に複数のルートでデータを収集しなければならず、実質的に盗聴不可能という。
また、音声データを符号化する際の表現を工夫し、ほぼ完全な秘話性を確保したまま、秘密分散共有によるデータ増加量を約50%に抑える技術も開発した。
同システムについては、3月20日から23日に名城大学天白キャンパスで開催される「電子情報通信学会2007年総合大会」で発表する予定。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」