サンフランシスコ発--MicrosoftのチーフソフトウェアアーキテクトのRay Ozzie氏は米国時間11月8日、「Windows Vista」および「Office 2007」の開発を終えたMicrosoftでは、ウェブ中心の今の時代に製品が合ったものになるよう準備をしているところだと述べた。
Ozzie氏は当地で開催中のWeb 2.0 Summitで、同社では現在、オンラインサービスとしても利用できるソフトウェアを設計するだけでなく、(これまでのように)PCの能力を活用するソフトウェアを設計することにも力を入れていると述べた。
Ozzie氏は主催者のJohn Battelle氏とステージをともにし、「VistaとOffice(2007)の準備が整った今、われわれはとても面白い節目の時を迎えている」と語った。
Microsoftは米国時間11月8日、Vistaが製造工程に向けてリリースされたことを明かした。同社によれば、VistaはOffice 2007とともに、11月末には大企業に提供され、2007年1月には一般の消費者に提供されると述べた。
Ozzie氏は客席からの質問にも応じ、WindowsやOfficeの次のエディションについて自身の思い描く展望を一部披露した。
特に同氏が強調したのは、インターネットに接続されたモバイル端末とOfficeの親和性をもっと高められるはずだということだった。そしてVista後のWindowsでは、マルチコアチップを搭載したマシンに対応したアプリケーションを容易に開発できるよう、開発者を支援するものになると述べる。
「Officeについて言えば、スマートフォンなどのモバイル端末がいたるところで使われている世界に大きなチャンスを見いだしている」(Ozzie氏)
同氏は「ウェブの普及が進んだ今、わたしは、多くの種類のデバイスが登場していることを大きなチャンスと捉えている。このチャンスを利用できる機会は非常に大きい」と同氏は述べた。
Ozzie氏はWindowsの展望について、多くのコアを持つPCへの適応性を高めるための取り組みが必要であると述べた。現在、既存のアプリケーションをマルチコアに対応させるには、アプリケーションの開発者自身が作業を実施する必要がある。
「アプリケーション開発者が(マルチコアの)利点を享受できるよう、OSが手助けする必要がある。さもなければ、世界中のアプリケーション開発者が自らのコードに手を入れなければならなくなる」(Ozzie氏)
最後に同氏は、CD-ROMからアプリケーションをインストールする行為は、ソフトウェアのウェブ配信に取って代わられるだろうと述べた。
またOzzie氏はVistaについて「完ぺきというわけではない」ものの、エンドユーザーはより高い信頼性や安全性を享受できると述べた。信頼性や安全性の問題は、2001年に「Windows XP」がリリースされて以来、より重視されるようになってきた項目だ。
「Vistaの最大の売りは、ウェブインタラクションをサポートする安全な環境だ」(Ozzie氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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