カリフォルニア州メンローパーク発--Sun Microsystemsは、同社が意欲的に提供するローエンド向けプロセッサとして第3世代目となる「Niagara 3」の設計に着手した。
Sunのサーバ部門のエグゼクティブバイスプレジデントJohn Fowler氏は、米国時間10月17日に当地で行われたインタビューにおいて、同プロセッサの開発を認め、今後も1つのチップにより多くのプロセッサコアを搭載できるよう取り組んでいくと述べた。同氏はまた、「SPARC」ファミリーに新たに加わることになるこのプロセッサは、45ナノメートルプロセスを用いて製造されることになると述べた。
カリフォルニア州サンタクララに拠点を置くSunは、初代Niagara(今の「UltraSPARC T1」)チップを搭載したサーバをすでに販売開始しており、「Niagara 2」チップを搭載した初のシステムの販売を2007年後半に開始する予定だ。
初代Niagaraが90ナノメートルプロセスを用いて製造されているのに対して、Niagara 2は65ナノメートルプロセスを用いて製造されることになる。65ナノメートルプロセスを用いることによって、同じ表面積により多くの回路を集積することができる。なお、1ナノメートルは10億分の1メートルに相当する。
Niagaraプロセッサシリーズでは、1つのタスクを高速に処理することよりも、タスクを同時に実行できる数を増やすことで総合的なパフォーマンスを向上させることに重点が置かれている。Sunはこうした取り組みにより、同社が革新的であるという評判を取り戻し、サーバ市場での売り上げを回復することができると予想している。同社のSPARCチップはサーバ市場において、競合であるIntelやAdvanced Micro Devices(AMD)、IBMにそのシェアを奪われてきた。
初代Niagaraには8個のプロセッサコアが搭載されており、それぞれのコアが4つの命令「スレッド」を同時に処理することができる。これに対してNiagara 2では、8個のプロセッサコアがそれぞれ8つのスレッドを処理できるので、命令スレッド数の合計が32〜64と、Niagaraの2倍にまで高められている。
Fowler氏によれば、Niagara 3でもこの流れが引き継がれることになるという。同氏は、それによってSunが「スレッドとコア(の数)を増加させる」ことになると述べている。また同氏はSunが、より多くの回路を必要とするアウトオブオーダー実行といった複雑な技術を使わず、基本的な命令処理パイプラインを使い続けることになるとも述べている。
Fowler氏によると、(Niagara 3は)現行のモデルと比較すればメモリバンド幅も増加することになるという。Niagaraは、メモリ待ちのスレッドが発生した段階で速やかに別のスレッドに処理を切り替えることで、メモリアクセスの遅延という問題を回避するよう設計されている。
Fowler氏は、Niagara 3の投入時期についてはコメントを控えている。
Niagaraプロセッサはまた、電力効率の向上にも重点を置いている。高額な電気代と、データセンターの発熱という問題は、顧客にとってますます大きなものとなってきているからである。
Sunの最高経営責任者(CEO)であるJonathan Schwartz氏は、「大半のウェブ企業にとって2番目に大きな経費は電気代であり、これより大きな経費は社員の給料しかない」と述べるとともに、「電力効率を2%向上させた場合、もしも電気代が年間1億ドルだったとすれば、節約できる電気代はかなりの金額になる」と述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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