最新のリリース候補版であるWindows Vista RC2が発表され、製品版の出荷が待たれるWindows Vista。10月18日より開催されているPC・デジタル機器の展示会「WPC TOKYO 2006」の基調講演にはマイクロソフト代表執行役社長のダレン・ヒューストン氏と米Microsoftの副社長2人が登場し、Windows VistaとMicrosoft Officeの次期バージョン「the 2007 Office System(Office 2007)」の性能をユーザーに訴えた。
マイクロソフト代表執行役社長のダレン・ヒューストン氏は「デジタルテレビ、デジタルカメラ、VoIP、FTTHの普及など、日本のデジタルライフスタイルは世界でも非常に進化している。それに比べ、企業内ではFAXがまだ数多く設置されており、ペーパーレスは進まず、レガシーなシステムが残っているなど明らかに遅れている」と日本のオフィス環境のデジタル化について言及し、「Windows VistaとOffice 2007によって、仕事の生産性を高めるデジタルワークスタイルの普及に貢献したい」と切り出した。
ヒューストン氏に紹介されて米MicrosoftでWindows Vistaを担当するWindowsクライアント マーケティング担当 副社長のマイケル・シーバート氏と、Office 2007を担当するビジネス製品担当 副社長のクリス・カポセラ氏が登場し、Windows VistaとOffice 2007の新機能をプレゼンテーションした。Windows VistaとOffice 2007は、マイクロソフトでベータ版を提供しているが、ヒューストン氏によるとマイクロソフト自身が一般ユーザーに公開したのは今回が初めてだという。
シーバート氏は、過去20年間のPCの歴史を振り返り、グラフィカルなコンピューティングが実現した「Windows 95」やドキュメントの制作や配布が一般化した「HTML」、デジタル写真や音楽が流行した「Windows XP」、そしてモバイルコンピューティングが普及した「Centrino」など、いくつかの大きな変化があったことを例に挙げ、「次の大きな変化がVistaによってもたらされる。デジタルワークスタイルおよびライフスタイルそのものが変わる」と述べた。
そして実際にWindows Vistaを立ち上げて新しい機能を披露した。Vistaでは「ガジェット」と呼ぶ小さなプログラムモジュールをデスクトップ上に置くことができ、カスタマイズが簡単にできる。また、Windows Aero機能を利用することで各ウィンドウは半透明にしたり、3次元表示も切り替えることも可能だ。
PCに膨大なデータを蓄積するようになって、PC内のデータを検索するデスクトップ検索はますます重要になっている。Vistaの検索機能はエクスプローラーに検索バーが組み込まれ、OSにビルトインされたものとなっている。たとえばコントロールパネルから検索を実行すると、ツール類のヘルプが検索対象となり、コントロールパネルの各機能を使うのに必要な情報がすぐに抽出できる。検索結果も非常に見やすくなっている。WordやExcelのファイルはわざわざアプリケーションを起動しなくても、プレビューで中身を表示できる。
このようなグラフィカルな操作には、できるだけ大きいメモリを搭載していたほうがいいが、ノートPCなどでは上限が決まっていてメモリを増設できない場合もよくある。そこでVistaにはUSBメモリを仮想的にメモリとして利用する「Ready Boost」機能を搭載した。
また、ミーティングスペースという新機能では、作成したアプリケーションファイルをネット経由で共有し、お互いに書き込み編集などを加えて保存するなど、コラボレーションを実現している。
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