Microsoftは、OpenDocument Format(ODF)で保存された文書をWordで閲覧可能にするアドオンを10月中にリリースする計画だ。
Microsoftは、このWord用プラグインを米国時間10月23日にリリースする予定で、政府顧客が関心を寄せているODF標準をサポートする計画の第一弾となる。
「Microsoft Office」のプログラムマネージャーBrian Jones氏によると、同機能を開発するオープンソースプロジェクトでは、2006年末までに、文書を開くだけでなく、「Word」で作成した文書をODFで保存できるようにもするという。Word用の「Save to ODF」アドオンの最初のプロトタイプも10月中に提供される予定。
2007年には、フランスのClever Ageという会社の開発者が中心となって進める「Open XML Translator」プロジェクトが、Microsoftの「Excel」や「PowerPoint」と、ODFとの相互変換を実現する変換機能の作成を目指していると、Jones氏は加えた。
この変換機能は、まもなく登場する「Office 2007」には標準搭載されない。その代わり、PDFやXML Paper Specification(XPS)用のフォーマット変換アドオンと同じサイトからダウンロードできるようにすると、Jones氏は語っている。
OpenDocumentはXMLがベースになっている。Office 2007はXMLを使用している別のフォーマットである「Office Open XML」を標準で利用する予定だ。
Jones氏は「Office Open XMLを発表し、『なぜODFを採用しないのか?』という質問を受けていたときも、相互変換する機能を誰かが開発するだろうと想定していた。そのころはプロジェクトを後援することになるとは思ってもいなかった」と語っている。
SourceForge.net上で進行するOpen XML TranslatorプロジェクトにMicrosoftのエンジニアは参加していない。しかし、同社のプログラムマネージャーがチームとの連絡係を務めている。
ODFからOffice Open XMLへのファイル変換プロジェクトはほかにもいくつか進行中で、OpenDocument Foundationによるものもある。
Microsoftは政府顧客にアピールするため、欧州の標準化団体であるEcma Internationalおよび国際標準化機構であるISOによる、Office Open XMLの標準化を目指している。
Jones氏によると、Ecma InternationalでOffice Open XMLを担当する技術委員会は、9日に最終仕様をEcma Internationalの総会に提出したという。
Ecma Internationalの総会では12月にこれを標準として認定し、ISOの早期承認プロセスへと進めるかどうか採決を行う見通し。この手続きにも最低6カ月はかかると、同氏は語っている。
Jones氏によると、技術委員会は資料の拡充をはじめ、Microsoftの当初の提案を大幅に改訂しているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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