カリフォルニア州サンノゼ発--AMDが2007年中旬に出荷予定の4コアOpteronプロセッサ(開発コード名:Barcelona)には、仮想化を高速にする機能が組み込まれる。
仮想化技術とは、1台のサーバで複数のOSを動かすことを可能にする技術で、サーバ運用の効率化を目指す企業から注目を集めている。しかし、OSからハードウェアへのアクセスを管理する「ハイパーバイザー」と呼ばれる仮想化ソフトウェアは、単独で動作するOSと比較するとパフォーマンスへの負荷が大きい。
だが、AMDのテクニカルデザインスタッフのBen Sander氏が米国時間10月10日に当地で開催中のFall Processor Forumで講演し、こうしたパフォーマンス上の問題に対処する機能がBarcelonaに搭載されることを明らかにした。
AMDとIntelは、x86サーバ市場のシェアを巡ってしのぎを削っている。ハードウェアレベルでの仮想化を実現した最初の製品はIntelのXeonチップだったが、AMDの最新のプロセッサもこの技術をサポートするようになっている。
しかし、仮想化はIntelとAMDの両社が競って開発する技術の1つに過ぎない。両社は例えば、マルチプロセッサコア技術の開発でも争っている。Intelが11月の出荷を目指す4コアプロセッサの新型「Xeon(開発コード名:Clovertown)」は、デュアルコアの「Xeon 5100(開発コード名:Woodcrest)」プロセッサを1つのパッケージに収容したものである。一方、AMDのBarcelonaでは4つのコアを1つのダイに統合するアプローチがとられている。
パフォーマンスの問題が発生する要因の1つとして挙げられるのが、OSの処理がプロセッサのTranslation Lookaside Buffer(TLB:変換索引バッファ)を介して行われることである。TLBは、OSが利用する相対メモリアドレスとハードウェア上の物理アドレスとを対応させた情報を保管しておく、チップのパーツだ。しかし、ハイパーバイザーもメモリを管理するため、仮想化技術では、変換作業が2つの段階を経ることになる。
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